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<チリ地震津波>注意報発令中に魚市場開場

津波注意報発令中、水揚げをするカツオ一本釣りなどの漁船=18日午前、気仙沼市魚市場

 チリ中部沖地震に伴う津波が到達した18日、岩手、宮城両県の三陸沿岸の魚市場は、津波注意報の発令中に軒並み開場に踏み切った。注意報は解除されるまで海岸に近づかないのが原則だが、開場の判断には他市場との関係や、秋の大型連休シルバーウイーク(19〜23日)が控えていたことなどが背景にある。水揚げ作業と避難の在り方が問われそうだ。
 各魚市場は津波注意報の発令に伴い、大半の漁船を沖に待機させて開場を見合わせていたが、午前7時半に石巻市が取引を開始。同9時半〜10時には気仙沼市や宮城県女川町、大船渡市の各魚市場も順次始めた。
 女川魚市場では水揚げされたサンマ140トンを取引した。加藤実専務は「明日にずれ込めば取引価格が半値になるかもしれない。鮮度を落とさずに取引できた」と胸をなで下ろす。
 4市場によると、開場については事前に協議していた。関係者の脳裏にあったのは昨年4月2日のチリ沖地震(M8.2)に伴う津波注意報。三陸沿岸の津波高は最大60センチだったが、注意報解除まで15時間かかり、4市場のうち大船渡、気仙沼両市の各魚市場は開場を見送っていた。
 気仙沼市魚市場を運営する気仙沼漁協の村田次男専務は「今回のチリ沖地震もM8.3で津波の経過が似ていた。職員や漁業者の身の安全が確保できると判断して足並みをそろえた」と説明。「今はカツオやサンマ漁のピーク。北海道など競合する市場がやっていればプレッシャーになる」と打ち明ける。
 しかも、18日はシルバーウイークの前日。気仙沼市魚市場では旬のサンマやカツオを計18隻が水揚げするなど活況に沸いた。仲買人は「連休前、最後の水揚げをする漁船が多い。きょう取引すると首都圏への出荷が間に合うことも大きかった」と流通事情を明かす。大船渡魚市場の千葉隆美社長は「今回は状況を判断して開場を決めたが、今後も津波注意報レベルなら水揚げをするという訳ではない」と、津波注意報の軽視だという見方を否定した。


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2015年09月19日土曜日

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