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増加するシカ 泳いで海渡る?離島に痕跡

出島で見つかったシカとみられる足跡(藤中さん提供)

 宮城県女川町の離島・出島(いずしま)でニホンジカの痕跡が確認されたことが、麻布大の南正人准教授(動物生態学)らの調査で分かった。痕跡の特徴から少なくとも1頭の若い雄が入り込んだとみられる。牡鹿半島ではニホンジカが増加傾向にあり、半島から海を泳いで渡った可能性があるという。

 南准教授は「シカがいるようだ」と島民から連絡を受けてことし4月、調査に着手。住民グループ「女川・桜守りの会」の藤中郁生事務局長(67)らと島内を探索。複数の地点で雄特有の角で木をこすった跡や足跡、ふんを発見した。
 8月には島内の数カ所に熱を感知すると撮影できるカメラを設置した。今後、画像を分析するなどして詳しい実態を調べる。
 出島は面積約2.7平方キロメートルで、木々や草花が生い茂る。本土までの最短距離は約300メートル。複数の島民が「東日本大震災前にシカを見たことはなかった」と証言する。
 シカの生態に詳しい専門家らによると、シカは林や森林などに生息。木の葉や枝、草、農作物などほとんどの植物を食べる。夜行性で警戒心が強い。普段は雄と雌は別々の群れで生活。新たな場所へ移る際は(1)若い雄(2)強い雄(3)雌−の順に動く傾向がある。
 南准教授は野生のニホンジカの生息地として知られる離島・金華山(宮城県石巻市)で約20年間、600頭以上のシカの生態を研究してきた。シカが植物を食べた一部のエリアで土壌がもろくなり、土砂が海に流出しているという。
 南准教授は「出島でシカが放置されれば、金華山と同様の現象が起こり得る。島内の生態系バランスが崩れたり、人間の生活に影響が及んだりする可能性もある」と指摘する。


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2015年09月25日金曜日

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