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<避難解除>楢葉の「無医状態」解消

再開したクリニックで診察する土岐さん(右)

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が9月5日に解除された福島県楢葉町で1日、内科の診療所「ときクリニック」が診察を再開した。原発事故後、町内の医療機関が再開するのは初めてで、「無医状態」が解消された。
 クリニックは内科医の土岐高久さん(62)を院長に看護師5人、事務などの職員3人。1日の朝礼では土岐さんが「原発事故から4年半、つらい思いをしてきた患者さんを笑顔で迎えましょう」と呼び掛けた。
 会津美里町やいわき市で避難生活を送り、楢葉に帰町した小山ハナさん(90)は早速、受診に訪れた。土岐さんは避難中の通院歴や服薬状況などを確認しながら診察。小山さんは「避難前、いつも診てもらっていたので、再開を待っていた。何でも遠慮なく聞ける」と喜んだ。
 診療日は火〜金曜。希望に応じてワゴン車で送迎する。調剤薬局が町内で再開していないため、ワゴン車で隣の広野町の薬局にも立ち寄る。廃炉・除染作業員らの健康診断にも当たる。
 楢葉町では町民が帰還できない要因の一つに、医療機関がないことが挙げられていた。土岐さんは「微力ながら地域の医療を守り、町民の不安を少しでも減らしたい」と話した。


2015年10月02日金曜日

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