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<最終処分場>連日の現地入りに住民、怒り増幅

候補地に入ろうとする環境省職員に、引き返すよう促す猪股町長(中央)と高橋会長=9日午前11時半ごろ、宮城県加美町

 東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省が宮城県内の3候補地の一つ、加美町田代岳への現地調査入りを連日仕掛けている。昨年10月、ことし8月の2回は2、3日で一時退散したが、再開した今月は「当面毎日来る」と積極姿勢に転じた。現地調査阻止を目指す住民や町関係者は連日の備えを迫られ、反発を強めている。

 「あなた方は仕事で来ているが、私たちは仕事も生活もなげうっている。古里を守るため、何度来られても断固反対する」
 4日連続の現地入りとなった9日、持久戦の様相で反対活動を繰り広げる住民らが環境省の職員とにらみ合い、怒りをぶつけた。
 町内は稲刈りが最終盤の時季。だが、現地入りのたびに駆け付け、「1日つぶされ、稲を刈れない」と憤る農家も少なくない。
 降雪のため昨年11月に調査を中断した環境省は「雪解け後速やかに再開」と言いながら、実際に再開を試みたのは8月末になってからだった。加美町の反対で現地入りできないまま、さらに1カ月が過ぎた。
 9月末、調査受け入れは認める他の2候補地の佐藤勇栗原市長と浅野元・大和町長が、状況打開のため市町村長会議の開催を村井嘉浩知事に要請。「今まで何をしてきた」(佐藤市長)「時間をかければいいものではない」(村井知事)と環境省の姿勢を批判していた。
 「連日の現地入り」に方針を変えたことについて、7日に就任したばかりの丸川珠代環境相は9日の記者会見で「(内閣改造前の)6日に望月義夫前大臣が指示し、私も方針を引き継いだ」と説明した。
 環境省の担当者も「もともと粘り強さが足りなかったので、もっと頑張ろうとなった。(調査受け入れの方向で)意見をまとめてくれた宮城県の意向をないがしろにできない」と話す。
 猪股洋文加美町長は9日午後、緊急記者会見を開き「住民負担が大きい」と連日の現地入りの中止を主張。21日に予定した環境省との意見交換会について、10〜12日の3連休も強行するなら拒否する考えを示した。
 これを受け、環境省は連休中は現地に入らない一時休戦を決めたが、週明けの13日以降、再開させる方針だ。双方が折り合う見通しは依然立たない。


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2015年10月10日土曜日

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