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<震災4年7カ月>暮らしの今 沿岸15市町調査

 宮城県沿岸15市町の東日本大震災前後の暮らしの変化を、住宅再建を支援する施策の進み具合を示すデータなどから分析すると、三つの集団に分類できることが河北新報社と東北大災害科学国際研究所の共同調査で分かった。仙台圏の平野部などでは仮設住宅からの退去が進んで人口や所得が回復する一方、被災規模の大きい地域では住宅の整備が遅れ、人口は震災前の減少傾向が強まっている。

 震災発生から4年半が過ぎ、被災地の生活がどう変化したかをデータで推し量ろうと、河北新報社と災害研が共同で調査した。人口や所得、地価など6項目の震災前後の変化と、仮設住宅の減少率など住宅支援施策の進み具合を示す3指標を分析した。
 結果は表の通り(抜粋)。防災集団移転促進事業のない3市町を除きA、B、Cの集団に分かれた。
 Aは仙台市、岩沼市、東松島市、亘理町、山元町で、被災地に平野部が多い市町。災害公営住宅の整備、仮設住宅の解消、防災集団移転促進事業がいずれも進んでおり、所得は震災前のマイナス傾向から上向いている。
 Bは塩釜市、七ケ浜町、南三陸町。防災集団移転促進事業が順調な半面、災害公営住宅の整備と仮設住宅の解消が進んでいない。新設住宅着工件数の伸びは大きい。
 Cの石巻市、気仙沼市、名取市、女川町は住宅再建の遅れが目立つ。災害公営住宅の整備率は30%に達しておらず、仮設住宅の減少率と防災集団移転促進事業の着工率は50%以下だ。被災規模が大きい地域を抱え、人口の減少幅も大きい。
 人口は、震災前から右肩上がりだった仙台市と利府町で伸び基調が強まった。塩釜市と松島町は減少幅が縮小した。石巻市や山元町、女川町、南三陸町は減少傾向が一層進んでいる。
 乗用車と軽自動車の保有台数は人口の変化に連動していた。所得は総じて震災前に減少傾向にあったが、震災後は大半でプラスに転じた。
 地価は震災前はいずれも低下基調だったが、震災を機におおむね上昇傾向に転じた。特に石巻市や七ケ浜町、仙台市に隣接する利府町の上昇ぶりが目立つ。
 共同調査は今後、医療・福祉、まちづくりなどの分野についても実施する。

[調査の方法]宮城県内沿岸15市町の2006年度以降の各年データや最新の数値を集計し、回帰分析とクラスター分析という手法で分析した。調査項目は、「人口」「所得」「地価」「乗用車保有台数」「軽自動車保有台数」「新設住宅着工件数」と、住宅関連施策の「災害公営住宅の整備率」「仮設住宅の減少率」「防災集団移転促進事業着工率」。データは自治体から取り寄せたり、ホームページで公開されているものを参照したりした。


2015年10月11日日曜日

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