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<ラベル偽装>告発に保健所「証拠足りぬ」

元従業員が6月29日に宮城県塩釜保健所岩沼支所に提出した公益通報書(写真は一部加工しています)

 業務用食材卸売会社「ヒット仙台」による賞味期限改ざん問題で、公益通報制度に基づき保健所に告発文を提出した元従業員が10日、河北新報社の取材に応じ、告発に至った経緯や現在の心境を語った。
 「告発してばれたら何をされるか分からず、不正と知りつつ、指示に従っていた。でも不正は不正。消費者をだまし続ける日々にもう耐えられなかった」
 元従業員が告発を決意したのはことし4月。「食の安全」を顧みることなく、従業員を賞味期限改ざんに巻き込む経営方針に不信感を募らせたためだ。
 元従業員は在庫表や改ざんの証拠を集め、5月21日に県塩釜保健所岩沼支所に提出した。「これでは足りない。動画をください」。保健所の担当者の言葉に耳を疑った。
 「怖い思いをしてまで不正を伝えたのに…。保健所は大ごとにしたくなかったのだろうか。食品偽装の危険性は知っているはずなのに」。元従業員は保健所の姿勢に疑問を投げ掛ける。
 保健所は1カ月後の6月29日に告発文を受け取った。しかし、県は10月9日の記者会見で「情報提供は9月2日の1件のみ」と説明。告発文の存在には触れなかった。「私たち個人が声を上げても、県には届かないのでしょうか」。勇気を振り絞って告発した元従業員は、公益通報の扱われ方に不安を抱いている。


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2015年10月11日日曜日

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