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<ラベル偽装>宮城県、通報事実伏せる?

記者会見で、賞味期限改ざんについて説明する金野由之・県食と暮らしの安全推進課長(中央)ら=9日、宮城県庁

 宮城県亘理町の業務用食材卸売会社「ヒット仙台」(藤原裕巳社長)が冷凍海産物の賞味期限を改ざんしていた問題で、同社の元従業員が6月下旬、公益通報制度に基づき、保健所に告発文を提出していたことが10日、分かった。保健所を管轄する県は9日の記者会見で、最初の通報を「9月2日」と説明したが、2カ月以上前から不正を把握していた可能性がある。

 県食と暮らしの安全推進課の担当者は9日、県庁で記者会見し、「県内の男性から9月2日に情報提供があり、9日に立ち入り検査を実施した。情報提供はこの1件のみ」と説明した。
 しかし、関係者によると、複数の元従業員が県塩釜保健所岩沼支所に告発文を提出したのは6月29日。元従業員は賞味期限が改ざんされたラベルを持参し、不正の手口や商品の保管状況を詳しく伝えた。不正を裏付ける内部資料も提出したという。
 河北新報社は「ヒット仙台」の食品偽装に関する告発文を入手し、県に9月2日、対応について取材した。県側はこれを「最初の通報」と位置付けたとみられる。
 県は10月9日の記者会見で、告発文の存在には一切触れなかった。担当者は会見後の取材に「(9月2日以前に通報があったかどうかは)答えられない」と述べるにとどまった。
 県の発表によると、同社は2014年1月1日〜15年7月23日に出荷した冷凍ガニなど11品目(686.5キロ)と冷凍カレイ(150枚)について賞味期限を改ざんし、出荷した事実を認めている。6月29日の公益通報後も賞味期限が偽装された冷凍食品が出荷されていたことになる。
 同社をめぐっては、製造元に確認せず「国産」と産地を偽装したり、東日本大震災の停電で一度解けたカニを再冷凍して出荷したりしていた疑惑も明らかになっている。

[公益通報制度]国民の生命や財産に関わる違法行為が生じようとしている際、労働者が行政機関などに雇用先の不正を通報する制度。通報者は解雇などの不利益を受けないよう保護される。通報を受けた機関は必要な調査を行い、法令違反があれば指導や公表など適切な対応をすることが義務付けられている。


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2015年10月11日日曜日

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