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<ラベル偽装>初検査わずか1分 調査終了

「ヒット仙台」に立ち入り検査に入る保健所職員。内部を調べることなく立ち去った=9月1日午後1時10分ごろ、宮城県亘理町

 宮城県亘理町の業務用食材卸売会社「ヒット仙台」(藤原裕巳社長)が冷凍海産物の賞味期限を改ざんしていた問題で、県塩釜保健所岩沼支所が十分な調査をしないまま、公益通報制度に基づく告発状を提出した元従業員に「検査を打ち切る」と伝えていたことが11日、分かった。
 関係者によると、保健所の職員2人が9月1日午後1時すぎ、同社に初めて立ち入り検査を実施。定期検査を装い、検査対象となる食品の店頭販売の有無を尋ねた。実際には来客があれば販売していたにもかかわらず、社員が「今は販売していない」と説明すると、検査を終了し立ち去った。
 その間、わずか1分。経営者を呼び出したり、書類を確認したりすることはなかった。情報提供を受け、河北新報社の記者も現場近くで一部始終を確認した。
 保健所は同日、元従業員に「検査対象がなかった。再度の調査は考えていない」と十分な検査をしないまま、検査打ち切りを通告した。
 河北新報社は告発状を入手し、検査翌日の9月2日、県に取材を開始。県は10月9日、取材に「9月1日の立ち入り検査は把握していない。最初の通報は9月2日で、情報提供はこの1件のみ」と説明していた。
 元従業員は6月29日、県塩釜保健所岩沼支所に告発状を提出。賞味期限が改ざんされたラベルや不正を裏付ける内部資料も持参し、不正の手口や商品の保管状況を詳しく伝えていた。
 元従業員は「保健所のやる気のなさに、あきれて言葉も出ない。報道機関の取材がなければ、食品偽装は今も見逃され、賞味期限切れの食品が出回っていた可能性が高い」と語った。


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2015年10月12日月曜日

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