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スマホで漁獲確認 新システム実験始まる

定置網が仕掛けられた海中にカメラなどが入った円筒状の装置を投入した実験

 海中の定置網に設置したカメラの画像を陸上でスマートフォンなどの端末で閲覧し、漁獲状況を確認するシステムの実証実験が15日、宮城県東松島市浜市沖で始まった。漁に出る前に魚の入りが分かることで「空振り」が解消されるなど漁の効率化につながり、東日本大震災で被災した漁業の復興に役立つことが期待される。

 システムは一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)と長岡技術科学大(新潟県)の山崎克之教授(情報工学)、通信会社KDDI(東京)が共同開発した。震災復興支援として被災漁業者の負担軽減を図るのが狙い。
 小型カメラ2基と発光ダイオードを搭載した高さ約60センチ、直径約15センチの円筒状の装置を最大で深さ10メートルの海中に沈める。カメラは180度の撮影が可能で、2基を背中合わせに配置し360度の写真を写せる。
 小型通信端末と電源となるソーラーパネルを搭載した小舟などを定置網付近に設置。カメラが30分ごとに撮影する画像はサーバーに送られ、サーバーにアクセスすると海中の画像を閲覧できる仕組みだ。
 実験には同市浜市地区の定置網漁師大友康広さん(32)が協力した。震災前に利用していた浜市漁港は被災し、大友さんは現在、隣の漁港から漁場に通う。「空振り」の場合は約2時間無駄になるほか、燃料代もかさむ。
 実験では、浜市沖数百メートルの定置網のポイントで、漁船上から水深約2メートルに円筒状の装置を投入。撮影された画像には、海中の様子がはっきりと映し出された。
 大友さんは「これまでは網を揚げるまで魚の入りが分からなかった。(システム導入で)漁の方法が変わるだろう」と期待した。
 山崎教授は「漁業者にとって燃料費の削減など負担が軽くなる」と説明した。
 実験は来年2月まで続けられる予定。その後、実用化に向け検討を重ねる。


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2015年10月16日金曜日

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