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鉱山廃水 微生物で浄化

微生物を使った鉱山廃水の浄化施設を点検する担当者

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、1957年に閉山した秋田県横手市増田町の吉乃(よしの)鉱山の廃水を、微生物を使って浄化する実証試験に取り組んでいる。昨年、秋田県内の別の休廃止鉱山で行った実証試験では、亜鉛やカドミウムなどの有害金属が国の排出基準値の10分の1にまで軽減できており、実用化が期待される。
 9月下旬に吉乃鉱山跡地で始まった実証試験では、2立方メートルの反応槽に、微生物の硫酸還元菌と菌の栄養分となる米ぬか、菌の生息場所となるもみ殻を投入した。
 硫酸還元菌が触媒のような役割を果たし、廃水に含まれる硫酸イオンを硫化水素イオンへと変化させる。硫化水素イオンは廃水中の有害金属と結合し、水中に沈殿しやすい硫化物に化学変化するため、水と有害金属とに分離される。廃水が反応槽を通過することで有害金属がもみ殻に吸着し、浄化される仕組みだ。
 硫酸還元菌は土中から採取できるほか、廃棄物の米ぬかともみ殻を有効活用できる利点もある。
 微生物を使った廃水の浄化事業は、同機構の金属資源技術研究所(秋田県小坂町)が主体となって実施している。吉乃鉱山の実証試験は、秋田県北の休廃止鉱山で昨年、国内で初めて行ったのに続き2例目。
 同機構によると、国内には廃水の浄化が必要な休廃止鉱山が79あり、炭酸カルシウムや消石灰などの薬剤費や人件費などに年間約30億円掛かっている。
 微生物方式では薬剤が不要になり、薬剤を投入する人件費も掛からない。反応槽の設置費などを除くと、薬剤投入方式で必要な1カ所当たり年間数百万円〜数千万円のコストがほぼゼロになる。
 同研究所の担当者は「試験を重ねて有効性を確認し、2022年度までに低コストな鉱山廃水浄化施設を本格稼働させたい」と話している。


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2015年10月19日月曜日

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