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<検証避難>多様で異常な状況を想定を

今井照氏(いまい・あきら)53年神奈川県平塚市生まれ。東大卒。東京都教育庁(学校事務)、東京都大田区役所を経て99年から現職。

 原子力災害の避難計画をどう考えればいいのか。福島第1原発事故の際の自治体対応に詳しい福島大の今井照教授(自治体政策)は次のような考えを示す。
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 福島の教訓は原発の情報が中央から地元自治体に循環するシステムがなかったこと。電話、電気が止まる中、政府の判断も地元に伝わらなかった。
 情報システムを築いた上で、自治体が迅速に対応するために、判断能力のある人材を育成しなければならない。石巻(宮城県)のような広域自治体は支所単位での取り組みが本来要る。
 避難計画の策定は大切だが、現実は計画通りに動かない。きれいな計画には疑問を持った方がいい。多様で異常な状況を想定し、情報、電気がない中でも動ける計画か点検してほしい。長期間帰還できない想定も必要だ。
 原発事故も津波と同じでリスクを感じた人からてんでんこに逃げるのが原則。福島は原発関係者から口コミの情報が流れ、避難が始まった。それを止めてはならない。自主避難を前提とした計画を作るべきだ。
 地震津波と違い、原発はなくせばリスクゼロにできるし、再稼働すれば必ずリスクは生まれる。事故時にどう動くのか、暮らしや健康への影響はどうなのか、原発立地県の住民は一度はしっかり考えてほしい。


2015年10月22日木曜日

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