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藤田嗣治ための「幻の美術館」現る

模型で実現した幻の美術館

 秋田市の美術収集家平野政吉(1895〜1989年)が、洋画家藤田嗣治(1886〜1968年)の作品を展示するために計画した「幻の美術館」が、模型とコンピューターグラフィックス(CG)で実現した。秋田県立美術館(同市)で開催中の企画展「まぼろしの美術館1936−1938」で公開されている。来年1月17日まで。

 幻の美術館は、36年に平野が提案。38年に着工したものの、戦時下の資材不足により基礎工事の段階で中止された。
 2012年、平野の親族が当時の設計図やイメージ図など約30枚を発見。平野政吉美術財団が秋田県立大の込山敦司准教授(建築計画学)に制作を依頼した。
 設計図によると、美術館は縦17メートル、横60メートル、奥行き34メートル。ガラス屋根など当時としては珍しいヨーロッパ建築を思わせる建物で、込山准教授は100分の1の模型と、建物の外観や内部のCG映像(約6分)を制作した。
 藤田が美術館のために描いたと伝わる壁画の大作「秋田の行事」(37年、縦3.65、横20.5メートル)は入り口正面に飾る予定だった。ガラス屋根などは設計図に描かれておらず、細部まで設計する現代とは異なる建築工程だった。
 込山准教授は「画家が自分の作品を展示するために美術館に関与したという点では、日本で初めてかもしれない」と語る。
 企画展は午前10時〜午後6時。観覧料は一般310円、70歳以上280円、大学生210円、高校生以下無料。連絡先は県立美術館018(853)8686。


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2015年10月26日月曜日

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