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野良と呼ばにゃいで地域猫 殺処分ゼロ目指す

手術を終えた猫を引き取りに来た近藤さん

 秋田県は本年度、住民が協力して飼い主のいない猫の世話をする「地域猫」のモデル事業を始めた。不妊・去勢手術をして繁殖を防ぐ一方、餌やトイレの世話は続けて命を全うできるようにする試みだ。秋田市内2地区でスタートし、来年度は県内8地区に拡大させる。最終的に殺処分がゼロになることを目指す。

 県動物管理センター(秋田市浜田)で23日、去勢手術を終えた雄猫1匹がモデルに選ばれた土崎地区の住民に引き渡された。
 雄猫は1年ほど前から居着いた雑種で、推定1歳以上。手術のため数日前に捕獲されセンターへ運ばれた。個体識別用のチップを装着し、手術済みの印として耳の一部をカットした。
 再会を喜んでいるのか、甘えたような声を出す雄猫の姿に、引き取りに来た同地区の主婦近藤利恵子さん(68)は目を細めた。
 モデル対象は土崎地区と広面地区。土崎で7匹、広面では4匹の面倒を見る。猫の保護に関わってきたボランティアを中心に住民が協力し世話をする。県と市保健所はことし6〜7月、町内会長らに集まってもらい、事業の狙いを説明して理解を得た。
 モデル地区住民は、動物管理センターの獣医師による不妊・去勢手術を地域猫に無料で受けさせることができる。県は手術器具や薬品代として初年度は予算100万円を確保。広面の4匹と土崎の3匹はボランティアの負担で手術済みだったため、今回はセンターで初めて実施。残る3匹も11月末までに手術する。
 近藤さんは捨て猫を防ぐ全国組織の会員で、15年ほど前から近所の人と協力して繁殖を防ぐ活動をしてきた。モデル事業開始を「個人の力では限界があり、風穴が開いた」と歓迎する一方、「猫が嫌いな人ほど、どうやったら野良猫がいなくなるのかを一緒に考えてほしい」と願う。
 県内で殺処分された犬猫の数は減少傾向にあるものの、2014年度は犬が150匹に対して猫は770匹と圧倒的に多く、対策が急務となっている。
 県生活衛生課の高橋俊嗣主幹は「生まれてきた命は守りつつ、数を増やさないことが重要だ。モデル地区を起点に各市町村へ取り組みを広げたい」と話す。


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2015年10月28日水曜日

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