宮城のニュース

ありがとう心の支え 津波「漂流犬」天国へ

東日本大震災の津波で流され保護されたバン=2011年4月2日

 東日本大震災の津波で海に流され、3週間後に救助された宮城県気仙沼市の「漂流犬」が死んでいたことが分かった。復興事業関連の車両にはねられたとみられる。数奇な運命をたどった愛犬に、飼い主は「心の支えになってくれた」と感謝している。
 震災当時2歳の雌犬「バン」は、同市本吉町の団体職員小野寺賀代さん(57)が飼っていた。自宅が被災し、バンの行方も分からなくなった。
 2011年4月1日、海上保安庁のヘリコプターが気仙沼沖で漂流する住宅の屋根に犬を発見。首輪などからバンと確認され、小野寺さんと再会すると、盛んに頬をなめたり尻尾を振ったりしたという。
 自宅の修繕などに取り掛かり、「共働きでバンの世話をするのも大変だったが、前向きになれた」と小野寺さん。生活再建の道を一緒に歩んでいた。
 昨年1月、深夜に「ドン」と大きな音が聞こえた。自宅が面した国道45号は昼夜を問わず、復興事業の大型トラックや重機が往来していた。胸騒ぎを覚え、急いで外に出ると、バンが無残な姿で息絶えていた。
 悲しみから1年がたったことし初め、シバイヌを飼い始めた。小野寺さんは「バンに2度出合えたことに感謝し、心の中に思い出として大切にしまっておきたい」と目を潤ませる。


関連ページ: 宮城 社会

2015年11月02日月曜日

先頭に戻る