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<蔵王山>お釜付近の登山規制 議論は平行線

近くの登山道が立ち入り禁止となっているお釜。お釜の左上の尾根付近に馬の背登山道がある

 宮城、山形両県と周辺自治体などで構成する蔵王山(蔵王連峰)の火山防災協議会で、お釜付近の登山道の立ち入り禁止規制をめぐる議論が平行線をたどっている。観光業界が「解除」を求める一方、専門家は「拙速」と慎重姿勢。メンバー間の意見が対立する。
 「観光に影響が出る。やめてほしい」。山形市観光協会の平井康博会長は10月末、宮城県庁であった協議会の会合で規制の早期解除を訴えた。
 規制は6月16日、ことし4月発令の火口周辺警報の解除とともに始まった。いずれも想定火口域(馬の背カルデラ)内にある「賽の磧(さいのかわら)登山道」(約3キロ)と「馬の背登山道」(約1.3キロ)の2ルートが対象となった。
 このうち馬の背登山道の規制解除を観光業界が求めている。ルート上には蔵王山頂レストハウスから熊野岳、地蔵山へとつながる登山口が含まれる。
 観光業界は、登山客の減少と規制による風評被害を心配する。平井会長は「規制があれば、他県の観光客から『蔵王は危険だ』と思われる」と不満を漏らす。
 蔵王山の火山性地震は9月が2回、10月は1回。火山活動は低下の傾向にあるが、山形大理学部の伴雅雄教授(火山学)は「2013年から断続的に火山性の微動や地震が観測されている。長い目で見れば、落ち着いたとは言えない」と警戒する。
 伴教授は昨年9月の御嶽山(長野、岐阜両県)の被害を踏まえ、登山道から安全な場所へとつなぐ避難道や緊急避難所の整備を訴えている。規制区域に踏み込む登山客もいるため、山形県はお釜と逆方向への避難道建設を検討する。
 来年1月に開かれる協議会の幹事会で、4月下旬の蔵王エコーライン(宮城県蔵王町−上山市、26キロ)開通に合わせた登山道規制解除の是非を話し合う。会長の村井嘉浩宮城県知事は「早急に結論を出したい。安全を確認できれば、すぐにでも規制は解除するべきだ」と話す。


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2015年11月04日水曜日

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