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パクチー人気じわり 仙台圏農家が生産拡大

ヤムヤムチンチンで提供されるパクチー料理。トムヤムクンなどにトッピングするのが人気だ=仙台市青葉区
ビニールハウスで栽培されるパクチー=仙台市若林区の北東ファーム

 タイやベトナムの料理に欠かせない香草「パクチー」の人気が仙台圏でも高まっている。独特の風味に病みつきになる人が多く、パクチーを売りにした飲食店も登場。生産現場では需要の高まりをチャンスと捉え、栽培量を増やす動きも出てきた。(報道部・小木曽崇)

<幅広いメニュー>
 仙台市青葉区の虎屋横丁に、5月にオープンしたアジア料理店「エスニック屋台バル ヤムヤムチンチン」の人気メニューは、「バケツdeパクチー」(税抜き555円)。小さなバケツに入ったパクチーを、好きな料理に好きなだけトッピングして楽しめる。
 ほかにもパクチーを使ったメニューが豊富で、サラダやピザ、鍋、アイス、カクテルと幅広い。
 市内ではパクチーを前面に出した店はまだ少ないが、独特の香りのとりこになる人は多く、東京では専門店もできた。
 ヤムヤムチンチンでは宮城県産を中心に週4〜5キロのパクチーを使う。「地元産は品質もよく、店でも喜ばれる」と杉裕太店長(29)。ただ県産の供給量は不足気味なのが悩みだ。
 仕入れ先の農産物インターネット販売店のまるまさ(宮城県涌谷町)は、登米市、涌谷町の農家3人に生産を依頼している。佐藤正則店長(53)は「照会が増えているので、生産を増やせないか提案したい」と依頼先を増やす考えだ。

<新規参入の動き>
 需要に応えようと、生産者も動いている。
 農業生産法人の北東ファーム(仙台市若林区日辺)は畑地85アールでルッコラやタイム、ラベンダーなどのハーブを栽培し、このうち10アールでパクチーを生産。毎週10キロ強を出荷する。
 3年前からほそぼそと生産していたが、取引先の東京のスーパーから「需要が増えている」と聞き、昨年から生産を拡大。週末には青葉区のクリスロード商店街にある常陽銀行仙台支店前で直売。毎回、あっという間に売り切れる。
 「5、6月から特に人気が出てきた。テレビなどで紹介される機会も増えたからではないか」と伊藤達也農場長(40)。作付面積を3倍の約30アールにすることを検討している。
 新規参入の動きもある。青葉区芋沢の畑約50アールを手掛ける佐藤将大さん(29)は7月から試験栽培を始めた。天候不順で収穫できなかったが、来年は本格生産に乗りだす予定で「今から収穫が楽しみ」と笑う。地元産パクチーを気軽に食べられる日も近そうだ。

[パクチー]セリ科の一年草。コリアンダー、シャンツァイとも呼ばれる。葉や茎がアジア料理の薬味に使われる。全国一の産地とされる静岡県内の生産量は2012年が57トン、13年62トン、14年72トンで増加傾向にある。農林水産省や宮城県には生産量統計はない。仙台市近郊では春や秋に種をまき、約40日後に収穫する。ビニールハウスでは通年で栽培できる。


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2015年11月16日月曜日

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