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鉄道林が学校の眺望遮る JRに伐採要望

後方のスギは中学校の新校舎より高く、視界を遮る。手前では再来春に併設される小学校の基礎工事が進む
1976年、3階建て旧校舎から見た校庭での雪遊びの様子。鉄道林はまだ低く、最上川越しに里山が一望できた

 山形県戸沢村の戸沢中(生徒125人)で、防風雪のためJR(旧国鉄)が線路沿いに植えたスギの鉄道林が半世紀以上たって大木となり、校舎、校庭からの自慢の眺望を遮っている。村は3年越しでJRに伐採を求めているが見通しは立っていない。

 戸沢中は敷地南側斜面の下にJR陸羽西線が走り、その奥に最上川が流れる。高台にあるため眺めが良く、校庭側の眼下に川の流れや対岸の山並み、南西には遠く月山も一望できた。旧校歌には「学びの庭に月の山」「最上川流れゆくなり」とある。
 一帯の約1キロ区間に鉄道林のスギが植えられたのは70年前ごろからで、戸沢中付近は約50年前という。現在地で1971年に開校した当時、若木だったスギは高さ15メートル以上に成長。今ではうっそうとした林の壁となって景観を損ねている。
 村は2013年、中学校の新校舎完成を機に教育長らがJR仙台支社に出向いて、学校付近のスギの伐採を要望した。14年には村民9割以上の署名簿も添え、村長とともに再訪した。
 村によると、交渉でJR側は「費用の全額負担は難しい。社内の優先順位もあり、実施の見通しは当分立たない」と回答した。伐採すると代替の防風雪柵を設ける必要もあり、協議は進んでいない。
 小野和夫教育長は「本来は遠景を望める素晴らしいロケーションにあり、生徒にはゆったり学校生活を送ってほしい。教育施設なので、JRには優先して取り組んでほしい」と望む。JR仙台支社の担当者は「鉄道林は列車運行施設の一部であり、適正管理している。こうした要望は珍しい」と説明。「現時点での対応は決まっていない」と話す。
 戸沢村は17年度、敷地内に近くの小学校を移転、小中一貫校にする予定で、既に基礎工事が始まっている。渡部秀勝村長は「JRには工事スケジュールも伝え、再度要望していきたい」と眺望復活を粘り強く求める意向を示している。


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2015年11月18日水曜日


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