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<富岡町災害本部>混乱の跡 限定公開

公開される災害対策本部の会議室。ふくしま震災遺産保全プロジェクトメンバーが記録作業を進めている=6月、福島県富岡町

 東京電力福島第1原発事故の避難区域に残る福島県富岡町災害対策本部の見学会が12月13日、初めて開かれる。東日本大震災を物語る遺物の保存を進める「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」実行委員会が企画し、当日は仮設のミュージアムに仕立てる。「全町避難を決めた行政の中枢で何が起きていたのかを感じてほしい」と話している。

 福島県立博物館や富岡町など県内8団体でつくる同プロジェクト実行委のアウトリーチ事業「震災遺産を考えるU いわきセッション」の一環。
 対策本部が置かれたのは町文化交流センター「学びの森」の会議室。福島第1原発事故対応の痕跡が今も残る。津波被害の状況を記したホワイトボードや、避難者数を書き込んだ書類が散乱。混乱ぶりを肌で感じられる空間だ。
 見学会は、富岡町の協力で実施する。町職員と博物館の学芸員が、会議室の見取り図などを盛り込んだパンフレットを基に説明する。放置されたまま黒くなったおにぎりなど品目ごとに展示プレートを配置。停電の中で撮影された対策本部内の写真も展示する。
 プロジェクトメンバーは、書類などの記録作業を進めている。蛍光ペンの色が薄れるなど資料が劣化する恐れがあるためだ。対策本部が移設される場合に備えて正確に復元できるよう室内全体の物品の位置も測量している。
 全町避難により対策本部は2011年3月12日夕、放置された。同プロジェクト事務局を担う県立博物館の高橋満主任学芸員は「一日だけの災害対策本部がどのような過酷な状況であったのか、生で感じられる場所だ」と説明する。
 見学会は高校生以上が対象で1人200円。案内時間やスペースの都合上、定員は25人限定。バスで移動し、富岡町職員が津波被害が残る富岡駅前なども案内する。
 連絡先は出発場所のいわき市石炭・化石館0246(42)3155。申し込みは22日から受け付ける。
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 「いわきセッション」ではほかに、12月5日から20日まで石炭・化石館で震災遺産の展示会を開く。同12日はいわき市生涯学習プラザで、東北大災害科学国際研究所長の今村文彦氏を講師に招き、防災と減災を考える。


2015年11月22日日曜日

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