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大学生の感性 事業展開に生かす

ミニコミ誌の特集の取材で、八木山の魅力についてアンケートで尋ねる東北学院大の学生

 仙台市中心部の商業施設がイベント企画や商品開発で、地元の大学との連携を強化している。将来の大切な顧客でもある若い世代の感覚を、事業展開や地域活性化に生かす狙いだ。大学も学生が社会と関わる場と捉え、協力体制を敷く。新たな連携の動きに、学生が回遊する中心部の復活を望む経済界も注目する。(報道部・布施谷吉一)

<全てゴーサイン>
 11月3日、家族連れでにぎわう太白区の八木山ベニーランドと市八木山動物公園に、東北学院大2〜4年生計14人の姿があった。
 12月6日の市地下鉄東西線開業日に合わせて発行されるミニコミ誌の特集取材で、来場者に八木山の魅力をアンケートで尋ねた。「断られたら、どうしよう」。最初は戸惑った学生たちだが、何とか約200人分の回答を集めた。現在は詰めの作業に入っている。
 今回の取材は、東西線仙台駅(青葉区)のほぼ真上にある仙台ロフトと東北学院大が6月に始めた連携活動の一環だ。
 連携活動は学生の視点を同店の事業に生かすのが目的で、10月には学生がロフトの内田雅己社長にアイデアをぶつける提案会を開いた。「東京化」を食い止める店づくり、商品の使用法を収めた動画配信、店内トイレの改造…。提案全てにゴーサインが出た。
 参加する学生は「自分たちでゼロから始める良い経験。難しさもあるが、やりがいもある」と意気込む。
 内田社長は「商業施設主導で学生にテーマを出し提案してもらう手法では、若者の発想を引き出せない。学生と一緒に進めることが重要だ」と説明する。
 大学は活動を経験した学生の変化を感じ取る。東北学院大地域構想学科の和田正春教授は「言葉遣い一つとっても以前と違う。連携活動ではいろんなことに挑戦できる。そうした時間を過ごすことが学生の成長には大事だ」と訴える。

<女性ターゲット>
 東西線青葉通一番町駅(青葉区)と本館がつながる藤崎も連携に積極的だ。
 ことしの歳暮に登場したのが、宮城県産もち米の米粉を使ったグラノーラ。宮城大食産業学部3年生6人が商品開発に携わった。
 コンセプトは「宝石箱」。「若い女性をターゲットに特別感やぜいたく感を出した。自信を持って提供できる」と学生は語る。
 東北大とも連携する。国際化への貢献について学ぶ10月中旬の授業で学生に店内を見てもらい、その意見を店づくりに役立てている。藤崎の担当者は「身近に感じてもらうチャンス」と力を込める。
 中心部の活性化を目指す学都まちづくり懇話会事務局の仙台商工会議所の間庭洋専務理事は「『学都仙台』と言いながら、街を歩く学生が少ない。商業施設と大学のように関係機関が連携し、学生と中心部を結び付ける取り組みが必要だ」と指摘する。


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2015年12月01日火曜日


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