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<シジュウカラガン>冬の使者 絶滅遠のく?

初冬の飛来地で水と戯れるシジュウカラガン=11月28日、大崎市田尻の蕪栗沼(戸島さん提供)

 絶滅危惧種の冬の渡り鳥シジュウカラガンの越冬地、宮城県大崎市田尻の蕪栗沼で今季の飛来数が2137羽を記録した。同じ越冬地の同市古川の化女沼で初めて1000羽を超えた昨季の倍で、過去最多。仙台市八木山動物公園などによる復活事業の成果とみられ、阿部敏計副園長は「絶滅の危機が遠のきつつある」と手応えを話す。
 観察をしている大崎市のNPO法人「蕪栗ぬまっこくらぶ」によると、2000羽超えを確認したのは11月28日。520羽だった前年同期に比べ、約4倍という。
 戸島潤副理事長(43)は「千島列島北部のエカルマ島で毎年放されてきたシジュウカラガンの繁殖が進み、順調に個体が増えているようだ」と推測する。
 シジュウカラガンは蕪栗沼や化女沼をねぐらとし、日中は周辺の田んぼで餌を食べるのが一般的な行動パターンという。
 昭和の初めごろまでは仙台近郊でも観察できたが、1938〜62年には国内外で観察記録が途絶。繁殖地の千島列島で毛皮採取目的により放たれたキツネに捕食され、絶滅したと考えられていた。
 63年に繁殖地のアリューシャン列島で、64年には伊豆沼(栗原市、登米市)でも再発見。70年以降は毎冬伊豆沼への飛来が確認されたが、数は1〜3羽にとどまっていた。
 八木山動物公園などは繁殖施設「ガン生態園」を82年に開設して復活事業に着手。95年にエカルマ島で放鳥を始めた。当初の県内への飛来数は数羽足らずだったが、2005年度から増加。12年度は278羽、13年度は576羽、14年度は1070羽と着実に増えてきた。
 復活事業に長年取り組む阿部副園長は「夢と思って地道に続けてきたことが夢ではなくなってきた。数万羽の回復を目標に越冬地の整備をしていくことが課題だ」と語った。


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2015年12月02日水曜日

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