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<大川小>地元は解体過半数 全市は保存6割

大川地区復興協議会の冒頭であいさつする大槻協議会会長(左から3人目)=2日午後6時30分ごろ、石巻市の河北総合支所

 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市大川小校舎について、市は2日、遺構保存の是非を市民に聞いたアンケート結果を公表した。地元の大川地区住民の調査は「解体」が「保存」を上回った一方、全市民の調査では「保存」が「解体」よりも多く、複雑な感情が浮き彫りになった。
 アンケート結果は、市河北総合支所であった亀山紘市長と住民団体「大川地区復興協議会」の意見交換会で示された。
 大川地区住民の調査対象は旧大川小学区に住所がある490人で、そのうち324人が回答。最も多いのが「解体」(54.4%)で、「全部保存」(24.6%)と「一部保存」(20.4%)の合計を上回った。
 全市民の調査対象は18歳以上の無作為抽出した2000人で938人が答えた。「一部保存」(32.1%)と「全部保存」(28.3%)を合わせると60%を超え、「解体」(37.2%)を上回った。
 意見交換会は非公開で、協議会の幹部や遺族ら約20人が出席した。関係者によると、協議会は校舎全体の保存をあらためて市に要望。保存を求める声が相次ぎ、調査対象に含まれなかった大川小卒業生の子どもらの考えも聞くよう訴えた。
 大槻幹夫会長(73)は「アンケート結果はつぶさに見ると拮抗(きっこう)している。協議会の一人一人が理由のある意見を述べ、市側は真剣に聞いてくれた」と評価した。
 亀山市長も「アンケート結果は拮抗している」とした上で、「大川地区には家族や子どもを亡くした方が多い。心の痛みや悲しみを抱えながらも、震災の教訓をしっかり残すべきだとの意見が多くあった。参考になった」と述べた。
 市門脇小校舎も市の遺構候補になっている。市は年明けにも大川、門脇両小に関わった子どもらの意見を聞く場を設け、年度内に保存の是非を判断する方針。


2015年12月03日木曜日


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