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<最終処分場>汚染稲わら一時保管 いつまで

登米市で一時保管される指定廃棄物。ビニールハウスの周囲に土のうが置かれ、立ち入り禁止になっている=4日

 東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省が宮城県内3候補地の現地調査を2年連続で越年させたことで、一時保管が長期化することに地域住民から困惑の声が出ている。原発事故から5年近くが経過。処分場建設に反対する加美町は「廃棄物の放射性濃度は低減している」として一時保管の継続を主張するが、国や県は懐疑的だ。
 環境省によると、県内の指定廃棄物の一時保管場所と保管量(6月現在)は図の通りで、計3400トンに上る。同じく放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル超で未指定の廃棄物も含めると約6000トンになるという。丈夫な袋に入れビニールハウスやテントで覆い、土のうで囲っている。
 「(一時保管期限は)当初は2年という話だったのに、もう5年近くたつ。汚染稲わらが置かれたままでは怖い。ビニールシートが傷付けられでもしたら、絶対漏れないということはないのではないか」
 汚染稲わら保管場所の近くに住む登米市内の無職男性(65)は怒りと不安をあらわにする。候補地の現地調査すら着手できていない状況に「どこかが受け入れなくてはならないが、どの自治体も嫌がって決まらないかもしれない」と一時保管が半永久的に続くことを懸念する。
 県内1カ所での集約処分を目指す環境省は栗原、大和、加美3市町の各候補地を現地調査する方針を変えていない。13日にも開催予定の市町村長会議であらためて従来方針を説明し、理解を求める考えだ。
 これに対し猪股洋文加美町長は「放射性物質濃度が下がるまで国が責任を持って保管するのが現実的だ」と強調。その間に、指定廃棄物の発生県内での処理を決めた特別措置法と基本方針を見直すよう求める。
 町の再測定では、町内には原発事故直後の1万ベクレル超が2000ベクレル程度に減った汚染牧草もある。町の要望を受け環境省は県内全域で再測定を実施中で、来年1月に終える予定だ。猪股町長は「基準濃度を下回れば、指定廃棄物でなくなる。廃棄物の量が減れば、処分場建設も必要なくなる」と訴える。
 ただ、環境省や県関係者は「仮に基準濃度を下回ったとしても、指定が解かれる訳ではない」「放射性セシウム137の半減期は30年。あと25年間一時保管するのか」と指摘する。
 県内には「今の分散保管の状態より、1カ所で集中管理した方が安全なのは明白」と言う首長もいる。市町村会議で加美町の主張が賛同を得られるかどうかは不透明だ。


2015年12月06日日曜日


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