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東北唯一のキャバレー 57年の喝采に幕

数々の昭和のスターが立ったステージを見つめる本間社長=酒田市の白ばら

 北海道、東北で唯一残るキャバレーとして営業してきた山形県酒田市の「白ばら」が年内で閉店する。歌手の山本リンダさんや千昌夫さんら多くの昭和のスターがマイクを握った「大人の社交場」。時代の変化には勝てず30日で営業を終了。57年の歴史に幕を下ろす。31日には歌手や常連客ら有志がスタッフへの長年の感謝を込めたイベントを催す。
 白ばらは1958年、元市職員の斎藤友弥さん(91)が奥羽観光を興して創業した。69年に現在の建物が完成、フロア約700平方メートルに27のボックス席を配置した。キャバレーとしては小さめというが、70年代の最盛期には100人近くのホステスが在籍した。
 客層は主に企業関係者。ムード歌謡のロス・プリモスや男性ボーカルグループのデューク・エイセスなど著名ミュージシャンのステージを楽しみながら、酒と会話に興じる「大人の社交場」として港町酒田のにぎわい創出に貢献した。横綱大鵬や千代の富士ら力士が足を運んだこともあったという。
 店長の本間邦夫奥羽観光社長(65)は「農家が地下足袋で来たり、漁師が釣りたてのイカを持ち寄ったこともあった」と往時のにぎわいを思い起こす。
 しかし、飲酒スタイルの多様化や企業接待の減少を受け、業界全体が振るわなくなった。白ばらは現在、ホステスは5人だけ。10年前からは外壁や電気系統の補修工事が必要になるなど建物も老朽化し、経営の重荷となっていた。
 本間社長が閉店を決意したのは11月下旬。「東京や札幌の著名なキャバレーが廃業する中、小規模で地元密着だから続けてこられたがこれ以上は難しい」と説明する。
 約3年前から白ばらの利用促進に取り組んできた市内の旅館経営佐藤仁さん(52)ら関係者は31日、感謝の集い「愛は白ばらを救う。大みそかラストランだよ全員集合!」を開く。酒田市出身の歌手白崎映美さんらが無償で駆け付け、スタッフをねぎらう。
 佐藤さんは「昭和の文化遺産とも言える白ばらへの感謝とともに、いつか再開してほしいという願いを込めて皆で盛大に見送りたい」と話している。


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2015年12月28日月曜日

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