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<2015廃炉作業>汚染水対策が前進

海側遮水壁が完成し、福島県漁連幹部らが止水効果を確認した=11月6日

 東京電力福島第1原発の廃炉作業はことし、放射性物質を含んだ地下水の海洋流出を防ぐ海側遮水壁が完成するなど、汚染水対策が前進した。一方、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の場所や形を探る作業をめぐって、2号機へのロボットの投入が先延ばしになるなど、廃炉の核心に迫る道筋は依然、不確かだ。

 「リスク低減に向け、目に見える形で成果を出せた」。福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏代表は24日、2015年を振り返って胸を張った。
 地上タンクに保管する汚染水の放射性物質濃度を大幅に減らす浄化処理が5月に完了。2〜4号機の地下道(海水配管トレンチ)にたまっていた高濃度汚染水の抜き取りも12月までに終えた。
 建屋周辺の地下水をくみ上げて海洋放出する「サブドレン」は9月に稼働した。汚染雨水の外洋流出を公表しなかった「K排水路」問題が2月に発覚、足踏みが続いたが、県漁連などが最終的に了承。一部が開いたままだった海側遮水壁を10月に閉じ、海洋への汚染水流出がほぼ止まった。
 サブドレン運用で、1日300トンだった建屋への地下水流入量は200トンに減ったものの、別の系統で汚染水が逆に増える誤算も生じている。
 護岸近くの地下水が地表にあふれ出ないようにするため、「地下水ドレン」からのくみ上げ量が1日400トンに増加。この地下水は、多核種除去施設「ALPS」でも取り除けないトリチウムを多く含み、タンクで保管し続けなければならない。
 汚染水の低減には、サブドレンのくみ上げ量を増やすとともに、建屋周辺の地盤を凍らせる「凍土遮水壁」が不可欠。原子力規制庁の認可は来年2月以降になるとみられ、本格運用が来年度以降にずれ込む可能性がある。
 使用済み燃料とデブリ取り出しをめぐっては、1号機で4月、原子炉格納容器内に調査ロボットを初投入。1号機建屋を覆う屋根パネルの撤去も10月に終えるなど一定の進展があった。
 ただ、8月が目標だった2号機へのロボット投入は、遮蔽(しゃへい)ブロックの取り外しに手間取るなどして越年した。1〜3号機からの使用済み燃料の取り出し開始時期についても、2、3年遅れる見通しとなった。


2015年12月31日木曜日

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