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統一ブランド「三陸」 世界に売り込め

 東日本大震災で被災した三陸地域の水産加工品を統一ブランドで売り込む動きについて、水産加工業界関係者は「三陸」のイメージを向上させる好機と位置付ける。広域連携で世界的な好漁場を発信していく試みが、人口減が進む被災地の活力につながるか、関係者は熱い視線を注ぐ。

 「ブランドの定着は時間がかかる。やらないで悔やむより、いまできることを進めたい」。八戸缶詰(八戸市)の野田一夫社長は強調する。
 同社はグループ全体でカニなどの和食素材を欧米にも出荷。野田氏は2015年6月、仙台市で初開催された東北の水産加工品展示商談会の取りまとめ役を務めた。商談会では、豊富な水産資源への買い付け担当者の注目度が高いことを実感した。
 野田社長は「取引先や消費者にいいイメージを持ってもらうには、三陸全体でまとまった方が売り込みやすい」と説く。北海道のように地域が一体となって取り組む姿勢を重視する。
 震災後、水産加工品の製造販売に力を入れる阿部長商店(気仙沼市)。阿部泰浩社長は「国内は少子高齢化が進んでおり、海外に目を向けなければならない」と危機感を募らせる。
 岩手、宮城両県が取り組む輸出拡大事業に参加したが、三陸全体で情報の共有やノウハウの蓄積がされていないと感じている。阿部社長は「(16年3月にも設置される)広域連携の協議会は成果を意識した取り組みが必要だ」とみる。
 支援する側も広域連携の重要性を指摘する。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)仙台貿易情報センターは、石巻市の水産加工ブランド「日高見の国」などの海外展開を支援している。寺田佳宏所長は「強力な供給力を背景に窓口を一本化して売ることができれば、未来が変わる。将来的には、農産品も含めた東北の食品総合百貨店のような仕組みが求められる」と訴える。


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2016年01月01日金曜日

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