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<災害公営住宅>ペット飼い主の会、設立足踏み

飼い犬のシーズーをあやす佐藤さん。地域でのペットとの共生に思いを巡らせる=仙台市宮城野区の田子西災害公営住宅

 東日本大震災の被災者向けに仙台市が整備した災害公営住宅のうち、ペットと入居できる住宅に義務付けられた「飼い主の会」の設立が遅れている。ペットとの同居は一般の市営住宅では原則不可。市は特例として災害公営住宅で認めたことから、飼い主の自覚やマナー向上を目的に設立を求めているが、束縛や会務を敬遠する人が多い。

 ペット可の災害公営住宅12団地のうち、会が発足したのは若林西(若林区)田子西(宮城野区)あすと第3(太白区)霊屋下(青葉区)の4団地にとどまる。
 2014年4月に入居が始まった田子西は、4棟のうち1棟がペット同居者の専用棟。同12月に飼い主の会が発足した。会長の佐藤美智子さん(62)はペット可のみなし仮設住宅(民間賃貸住宅)を探すのに苦労した経験があり「安心してペットと暮らせるようになった」と喜ぶ。
 会として住宅周辺を清掃したり、ペット散歩時に防犯腕章を着けたりしているが、会員の認識には温度差があるという。佐藤さんは「活動を強制するなと言われたこともある。近隣には動物嫌いの人もいるだろうし、みんなで気持ち良く過ごすにはどうしたらいいか考えている」と語る。
 霊屋下では入居開始約10カ月後の15年12月20日に設立にこぎ着けた。会長に就いた狩野裕吾さん(54)は自治会長との兼務。「仕事の都合などを理由に誰も会務をやりたがらず、設立が遅れた。結局、自治会役員が引き受けることにした」と説明する。
 団地の全2棟がペット可だが、ペットがエレベーター内でおしっこをすることがあったり、鳴き声に苦情が寄せられたりした。狩野さんは「飼い方は世代や元の住居が一戸建てか集合住宅かでも異なる。互いに我慢することも必要だ」と強調する。
 ペット可の災害公営住宅は他の被災自治体にもあるが、飼い主の会設立と入会を義務とするのは仙台市のみ。市復興公営住宅室の担当者は「入居者は初めて会う人同士が多く、意見をすり合わせて設立するのに難しさはあるだろう。会規約のひな型を提供するなど継続的に協力したい」と言い、早期設立を望んでいる。


2016年01月03日日曜日

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