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<復興印宮城流>農家らを取材 魅力発信

町の食生活改善推進員がはらこめしを調理する様子を動画で撮影するスタッフ=亘理町の荒浜地区交流センター
ハウスで実ったアセロラを手に伊藤さん(右)に取材する横山さん=亘理町逢隈高屋

◎(3)みんなの亘理(亘理町)

<地元の逸品紹介>
 北に阿武隈川が流れ、東に太平洋を望み、西に阿武隈山地がそびえる。宮城県亘理町の豊かな自然が育んだ山海の幸を「亘理ブランド」として世界に発信する試みが、ことしスタートする。
 町が2月に開設するインターネットサイト「みんなの亘理」。国の地方創生交付金を活用した事業費1800万円のプロジェクトの一環。地域活性化に取り組むNPO法人「元気な日本をつくる会」(東京)が受託し、会員企業の同町のパワフルジャパン宮城(横山英子社長)が運営を担う。
 サイトでは地元の農産物や商品約30点を文章や写真にまとめて紹介。郷土料理はらこめしの作り方や地域のイベントの様子などを動画で配信して町の観光もPRする。4月からは商品の通販も可能になる予定だ。
 開設を控え、社長の横山さん(53)をはじめ社員5人は出店予定の農家や事業所を回って取材を重ねる。生産者や事業主から話を聞き、商品に込めた思いをすくい取ろうとしている。
 昨年暮れ、横山さんは東日本大震災の津波被害を乗り越えて中南米原産のアセロラを栽培する農家伊藤正雄さん(64)方を訪問。約14アールのハウスで実る北限とされる果実を手に取り、伊藤さんに栽培方法などの質問を重ねた。
 「震災を乗り越え、加工品だけでなく果物として出荷する伊藤さんの取り組みには価値がある」と横山さん。生産者に取材を重ねる中で「いい物を地域の人々に届けようとコツコツと頑張っていることをあらためて知った」と印象を語る。

<発電施設 実験へ>
 横山さんと亘理の関わりは震災前にさかのぼる。NPOのメンバーとして6年前から町の活性化事業に携わる中で地域の逸品に親しむ一方、生産者らが積極的に発信しない様子がもどかしかったという。震災で大きな被害が出た地域経済の復興には新たな情報発信が欠かせないと考える。
 「震災から5年近く。メディアが被災地を取り上げる機会は大きく減り、これからが正念場を迎える。生産者自ら積極的にPRすることが大事で、その後押しをしたい」と強調する。
 その先にはさらに大きな夢を描く。農産物の捨てる苗や沿岸の被災農地で育てる牧草を使ったバイオマス発電の確立だ。今春には町内に置くコンテナ式の発電施設で実験を始める。
 「どんどん新しいことに取り組み、地域に貢献したい」と横山さん。亘理ブランドの価値に磨きを掛ける。(亘理支局・原口靖志)

◎地場産品認知度向上

 新たなサイトを通じて「亘理ブランド」として地場産品の認知度がはるかに高まることを期待する。被災地の復興支援という観点でなく、本来の亘理の良さが広まってほしい。ふるさと納税の返礼での商品活用も目指している。(吉田充彦・亘理町企画財政課長)


2016年01月04日月曜日

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