宮城のニュース

<仙台東西線>需要予測下回るも…善戦ムード

間もなく開業から1カ月。仙台初売りなど年末年始期間中も利用された東西線だが、利用者数は?=2日、仙台市地下鉄東西線仙台駅

 昨年12月6日に開業した仙台市地下鉄東西線(八木山動物公園−荒井、13.9キロ)の利用者数をめぐり、市当局の内部に奇妙な安堵(あんど)感が広がっている。需要予測で掲げた8万人を下回っているものの、「善戦」「最低ラインはクリア」との声が多い。背景にあるのは南北線や近年開業した他市の地下鉄の動向。いずれも当初は苦戦し、徐々に上向いた経緯があるためだ。
 12月13日までの開業後8日間の利用者数は1日平均約6万4837人と、予測の8割にとどまる。開業日に11万2500人と突出して多く、平日は5万人台で推移(グラフ)。厳しい状況にも見えるが、内部の受け止め方は総じて前向きだ。
 奥山恵美子市長は同22日の定例記者会見で「開業早々の段階では健闘している」と自賛。幹部も「沿線開発が進んでいない割には善戦だ」と言う。
 楽観的とも言える見通しの根拠が南北線だ。1日22万5000人の需要予測に対し、開業1年目の1987年度は11万3000人と約半数。その後、通勤通学の大動脈として定着し、22年目の2008年に単年度で黒字転換を果たした。14年度は16万6203人で、33億1000万円の黒字を生んだ。
 開業時の苦戦は全国的な傾向でもある。横浜市で2路線目の地下鉄として08年に開業したグリーンライン(13.1キロ)は、初年度の利用者が1日約7万人。予測の10万4000人に届かなかったが、次第に増加し、15年は約13万人と当初の倍近くになった。
 横浜市交通局の担当者は「通勤通学ルートはすぐには切り替わらない。定着に2、3年かかった」と話す。
 05年開業の福岡市地下鉄七隈線(12.0キロ)も、1日11万人の予測に対し05年は約4万4000人と半分以下。それが毎年5%前後ずつ伸び、14年度は約7万5000人になった。一層の需要拡大を見込み、市は中心部と直結する延伸工事を実施中。新線沿いの住宅開発が堅調なのに加え、「沿線の大学に通う学生の利用が目立って増えた」(福岡市交通局)という。
 ただ、東西線にどれだけの伸びしろがあるかは未知数だ。宮城大の徳永幸之教授(交通計画)は「住宅開発は一気には進まない。沿線開発だけを重視するのではなく、市中心部の魅力を高め、東西線を使ってどう人を集めるかも考えるべきだ」と指摘する。


関連ページ: 宮城 社会

2016年01月04日月曜日


先頭に戻る