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津波被災の蔵 国内外の支援受け私設資料館に

資料館を整備した小野寺さん。蔵の中には港町の繁栄を伝える道具やパネルが並ぶ

 東日本大震災で被災し修復された宮城県気仙沼市南町の老舗魚問屋の土蔵が、昭和の漁業に関する私設のミニ資料館として整備された。蔵は、かつて港町の繁栄を謳歌(おうか)した内湾地区に位置し、国の登録有形文化財。今も震災の傷跡が残る地域を、観光を通じて復興させるきっかけになればと地元の期待が集まる。

<漁具など50点>
 整備したのは小野健商店専務の小野寺健蔵さん(53)。蔵は戦後間もない1946年に建てられた2階建てで、外壁上部は白しっくい、下部は白黒格子状のなまこ壁。気仙大工の流れをくむ棟りょうと左官の名が記された棟札が残る。
 震災では2階まで津波をかぶり、外壁などに大きな被害があった。修復は多額の費用が掛かることから取り壊しも検討したが、国内や欧米の財団などの支援を受け、昨年5月ごろから資料館として公開している。
 館内には、創業した昭和初期から現代までの漁業関係資料(借り受けたものを含む)50点ほどを収める。
 魚を詰めて出荷するたるやガラス製の浮き、ランプ、お神酒を入れる器など、船にまつわるさまざまな道具が並ぶ。店が新年に全国の得意先を回り配ったちらし広告(拡大コピーパネル)には、えびすや日の出、飾り花といった絵柄が描かれ、目を引く。
 かつての水揚げ作業の写真やカツオ、サンマなど気仙沼を支える魚の漁法パネル、漁船の模型などもあり、水産都市ならではの文化を紹介している。

<韓国から来訪>
 昨年11月には国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)と韓国国立民俗博物館の、日韓の漁業文化に関する共同研究チームが訪問。視察して、漁船への総合的なサービスを提供する魚問屋について認識を深めた。
 小野寺さんは「公開は、国内外からの協力で蔵を修復できた恩返し。多くの人に、来て、見てもらえるよう工夫し、震災を風化させない」と話している。
 見学無料で、事前の連絡が要る。連絡先は小野健商店0226(22)3134。


2016年01月04日月曜日

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