岩手のニュース

仮設住民に運動で活力 遊び取り入れ笑顔咲く

楽しみながら体を動かす大槌町の仮設住宅の住民ら

 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の仮設住宅で、県教委が展開する運動支援事業が住民に活力を運んでいる。30分間の簡単な体操で運動不足を解消する。和やかなコミュニケーションの場としても定着した。心身を健やかにする一助となっている。
 「次は指の運動。両手を合わせてみて」。昨年12月17日に第16仮設住宅(同町小鎚)であった運動指導。県教委スポーツ健康課の高橋一男トレーナー(52)の指示に、参加した40〜90代の女性6人が一斉に手を合わせる。
 とっさに、最年長の女性が切り返す。「五郎丸だな」。ラグビー日本代表の五郎丸歩選手の独特のポーズをまねて場を盛り上げた。運動中は、こうしたやりとりが続き笑顔が絶えない。
 運動指導は同課の被災地支援活動として昨年始まった。同町小鎚にある2カ所の仮設住宅を月1回のペースで回る。激しい運動は一切しない。腕や脚、足首、股関節の曲げ伸ばしのほか、じゃんけんなどの遊びを取り入れたメニューなど、日常生活で気軽にできる運動を心掛けている。
 沢山スエさん(76)は「県教委に運動を教えてもらうようになって、自分なりに体を動かすようになった。以前は痛くて曲げられなかった膝が曲げられるようになった」と効果を語る。
 仮設住宅を出た後も通い続ける人もいる。倉田キミさん(84)は11月に町内の県営アパートに引っ越した。「この日を心待ちにしていた。新しい住居では、こういう機会がない。運動だけでなく、みんなと話ができる。楽しかった」と満足そうだった。
 県教委は仮設住宅の支援員に指導方法を伝え、地域で自主的に運動できる仕組みづくりも目指す。
 高橋トレーナーは「口も体も動かしながら楽しむことを目指している。今後も心身を元気にするサポートをしていきたい」と取り組みを進める。


2016年01月05日火曜日

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