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<白石和紙>工房引継ぎ卒業証書

すいた紙の上からツバキの葉を滑らせ、干し板に密着させた=昨年12月、白石市の旧市西保育園

 宮城県白石市特産の白石和紙を唯一生産していた白石和紙工房が昨春に操業を終えたのを受け、まちづくりグループ蔵富人(くらふと)は、市内の中学3年生約300人が受け取る卒業証書づくりを引き継いだ。上質で厚みのある紙を生み出す紙すきに悪戦苦闘しながら、400枚以上を市教委に納入した。

 白石和紙は、原料のカジノキ、トロロアオイの生産から仕上げまで一貫する製法が特長。蔵富人は工房の支援を得て、昨年10月に原料の加工を始めた。
 蔵富人は同5月、和紙を使った照明を手作りするワークショップに使うため、紙すきに初挑戦した。その経験を踏まえ、同11月から断続的にA3判とほぼ同じ大きさですき、2枚重ねて天日干しして完成させていった。
 市の補助金でシルバーセンターに作業の一部を依頼。カジノキの白皮「紙くさ」を水の中で丁寧にほぐして不純物を取り除いたり、すいた紙を干したりする作業を手伝ってもらった。
 蔵富人の中心メンバーの自営業阿部桂治さん(47)は「下ごしらえが大変だった。紙をすけばすくほど、技に終わりはないと実感した」と振り返る。卒業を控える3年生には「卒業証書の手触りを確かめて、白石和紙を家族の話題に取り上げてほしい。しわや節は味わいと思って勘弁してほしい」と笑顔を見せた。
 市教委によると、卒業証書に白石和紙を採用したのは2002年から。これまできちんと告知してこなかったため、今回から明示する方法を検討するという。
 市教委管理課は「蔵富人が手を挙げなかったら、一般の紙に切り替える予定だった。地元の名産を使った卒業証書は生徒の思い出になるので、来年以降も頑張ってほしい」と期待する。


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2016年01月06日水曜日

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