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<避難解除>楢葉4カ月 帰町第一波に期待

福島県楢葉町では住宅の修繕作業があちこちで見られる=2015年12月28日

 福島県楢葉町は昨年9月5日、東京電力福島第1原発事故で全住民が避難した自治体で初めて避難指示が解除された。4カ月となった今月5日現在の帰町者は421人(247世帯)で、徐々に増えているが、事故前に人口8000を数えた町が元の姿を取り戻す道は険しい。町は新たに、一定程度の住民が戻る「帰町目標」を2017年春と設定。今春に最初の帰還の波が来ることを期待する。
 帰町した松本義美さん(78)夫妻は5年ぶりに、千葉県に避難する長男家族、東京の次男夫婦と一緒に自宅で正月を迎えた。年末には臼ときねを出して、にぎやかに餅をついた。
 松本さんは普段、「自宅は落ち着く」と実感する一方で「寂しさと不便さ」も味わう。隣近所で帰町した家はなく、買い物などの生活環境も改善していない。「4年半以上もたつと避難先に根付く。放射能への不安もあり、特に若い世代が帰るのは難しい」と話す。
 町によると、5日現在の帰町者は、解除から3カ月の昨年12月5日に比べ33人(12世帯)の増。421人のうち、60歳以上が69.1%を占める。
 急激な変化はないものの、少しずつ明るい兆しも出ている。1世帯だけだった子育て世代が3世帯に増加。いわき市にある町立学校仮設校舎への送迎車を利用する小中学生が3学期、2人から4人に増える。
 町復興推進課は「一気に帰町が進むとは考えていない。条件が整った人から徐々に戻る流れが続く」と説明。住宅修繕の進展や県立診療所の2月1日開業を挙げ「暖かくなる春、新年度を機に帰町が増えるのではないか」と期待を込める。学校送迎車を利用する子どもも4月以降、さらに4人増えると見込まれている。
 「17年春」の帰町目標は、町が昨年12月策定の第2次復興計画改定案で明記した。16年度内に災害公営住宅、スーパーを核とする共同店舗が完成予定で、小中学校も17年4月に町内で再開するからだ。
 学校関係者は「帰町するかどうかは別として、再開する学校に子どもを通わせたいと考える保護者が増えているようだ」とみる。
 復興計画改定案では、16年度までを「帰町期」と位置付け、17年度から「本格復興期」に入る。町復興推進課は「環境の整備や生活再建の支援を進め、16年度に帰町の大きな波をつくりたい」と強調する。


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2016年01月06日水曜日


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