宮城のニュース

WiFi整備し震災後誘客…宮城の事業苦戦

無線LAN機器を設置した助成先に貼るステッカー

 東日本大震災で半減した外国人観光客の回復を狙い、無料でインターネット通信できる公衆無線LAN「WiFi(ワイファイ)」の環境整備を支援する宮城県の事業が苦戦している。仙台や松島周辺でのエリア拡大を目指し、本年度は関連予算を3倍以上にしたが、肝心の設置主体に名乗りを上げる事業者が集まらない。
 県は2014年度、国の調査で「飲食店の検索や地図の閲覧など、旅行中のネット通信費がかさむ」と懸念する外国人観光客の声が多かったのを受け、県全域で無線LAN環境整備を促す事業に踏み切った。
 ホテルや観光施設に機器購入や設置費用の半額(上限25万円)を補助することとし、1125万円を予算化。初年度の助成実績は30件計383万円だった。
 県は15年度、「『点』の助成は効果が限定的。ネット接続のストレスなく、まち歩きが楽しめる面の整備が必要」(観光課)として戦略を再構築。既存の助成を継続しつつ、JR仙台駅と松島湾の周辺6市町に特化した助成として2500万円を別途予算計上した。
 助成対象は仙台−松島間の5エリアを想定している。複数事業者のグループに費用の3分の2(上限500万円)を交付する枠組みとしたが、いずれも調整が難航。今のところ助成先は決まっていない。
 このうち塩釜市は制度を適用し、JR本塩釜駅近くの市観光物産協会から塩釜神社付近までの徒歩10分圏内に整備する構想を描く。
 市の担当者は「助成はハードに限られ、通信費などランニングコストは事業者負担。外国人観光客はそう多くなくニーズを実感する事業者は少ない」と語る。
 訪日外国人旅行者が過去最高を更新する中、震災後の東北は軒並み苦戦を強いられている。
 観光庁によると、14年の県内外国人宿泊者数は延べ10万2550人で、震災前(10年)の65%だった。15年上半期は既に7万1290人と10年上半期を約7000人上回り、回復傾向にある。
 県観光課は「無線LAN環境を誘客の呼び水としてほしいが、海外旅行先での通信の不便さが理解されないのか、一体的整備が進まない」とこぼす。
 県全域対象の半額補助も15年度は7件のみ。県は申請締め切りを2月末まで延長し、活用を呼び掛ける。


関連ページ: 宮城 政治・行政

2016年01月08日金曜日

先頭に戻る