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<復興印宮城流>3市 多様な分野で連携

白石市農業祭では海老名、登別両市の物産展が恒例となった=昨年11月、白石市ホワイトキューブ
昨年11月に住民自治組織の相互連携協定を結んだ白石、登別、海老名3市の関係者

◎(7)トライアングル交流(白石)

<震災支援で真価>
 三人寄れば文殊の知恵。あるいは、三本の矢。「3」の重要性を説く教えを一対一の直線的になりがちな自治体間の交流に応用し、東日本大震災以降、成果を上げている例がある。
 宮城県白石市が北海道登別市、神奈川県海老名市と進める「トライアングル交流」。1983年に登別、94年には海老名と姉妹都市になった白石が仲を取り持つ形で2010年4月、大規模災害に備えた相互応援協定が3市間で締結された。
 1年後の3月11日。白石は震度6弱の激しい揺れに襲われた。停電や断水、交通網のまひ、燃料不足に見舞われる中、「3」の真価が発揮された。
 翌12日。米軍ヘリが市役所近くの球場に着陸した。海老名が厚木基地に手配し、アルファ米や備蓄用パンを運んできた。登別も海老名に陸路での輸送を依頼し、救援物資を送り続けた。
 避難所で不足する仮設トイレ、壊れた屋根にかけるブルーシートなど、欲しい物が間を置かずに届いた。風間康静市長は「首都直下型地震や東海地震による海老名の被害を危惧したのが協定のきっかけだったが、震災で白石が大いに助けてもらった。両市の恩を思い出すと涙ぐみそうになる」と振り返る。

<商品開発協力も>
 3市がトライアングル交流宣言に調印したのは11年4月。宣言書には「家族 姉妹 兄弟 友達」のような関係を築き、さまざまな分野で交流を深めると明記された。登別と海老名も昨年、姉妹都市となり、全国的に珍しいトライアングル姉妹都市が完成した。
 有数の温泉地として名高い人口約5万の登別、東京・横浜のベッドタウンとして発展する約13万の海老名。そして約3万6000の平和な城下町、白石。3市のつながりは今、スポーツや青少年教育、産業といった分野で複層的に広がる。
 物産の相互販売にととまらず、特産品を生かした商品開発、インバウンド(訪日外国人客)の観光ルート、修学旅行の訪問先で協力し合うプランもある。白石商工会議所の斎藤昭会頭は「経済界からも3市の特長を生かし、経済効果がきちんと生まれる仕掛けを提案したい」と策を練る。
 住民自治組織、青年会議所も相互連携協定や姉妹関係を結び、トライアングルの絆は官民でしなやかに強まる。白石青年会議所OBの山田裕一市議は「東北、北海道、関東と風土や文化が異なる3市の交流だからこそ視野が広がり、面白さがあり、お互いの良さを見つけられる」と話し、議会間の提携を模索する。(白石支局・瀬川元章)

◎子どもたちに好影響

 3市の子どもたちの交流は互いに得るものが大きい。環境が違う地域での経験は本人の土台となり、将来は友好の懸け橋となることを期待している。5年後に向けては、スポーツに加え、文化面での充実を図るとともに、教員の交流にまで発展させたい。(白石市教育長 武田政春さん)


2016年01月08日金曜日


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