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<復興印宮城流>陶器市定着 催しも続々

味わいある陶器が並ぶ蔵の陶器市。蔵の町並みが年間を通じて最もにぎわう=2015年10月
ひな人形を探して旧家を回る着物姿の子どもたち=2015年3月

◎(8)蔵の町並み活用(村田)

<一大イベントに>
 歴史ある店蔵(たなぐら)や奥座敷がギャラリーに早変わり。陶芸作家自慢の作品と相まって風情ある雰囲気が蔵の町並みを包む。
 宮城県村田町中心部で開催する「蔵の陶器市」は町の一大イベントとして定着した。
 昨年10月の第15回は全国から81の窯元が集まった。好みの作家を見つけ足しげく訪れる愛好家も多く、来場者数は年々増加。今回は3日間で過去最多の4万8000人が詰めかけた。
 「空き店舗が増える中、地元を少しでも良くしたいと思って始めた。すっかり町の代名詞になった」
 主催するNPO法人「むらた蔵わらし」の升忠彦理事長(73)は手応えを感じている。
 展示スペースとして店先を提供する住民も徐々に増えた。東日本大震災で壊れた蔵や旧家も修復を終えると展示の場に変わった。
 「直した蔵や空き店舗を使って新しい商売が始まると地域はもっと元気になる」と升さんは期待する。

<住民も乗りだす>
 蔵の町並みは、江戸時代に紅花交易を通じて繁栄した商人たちが築いた。
 東北南部を中心に紅花を集め、染め物や口紅の原料として京都や江戸に卸した。品質の良さから高値で取引され、財を得た商人たちはこぞって店蔵を構えた。
 町中心部には江戸後期から大正期に建てた約145棟が現存。震災で被害を受け一部は解体されたが、民間団体の協力などを得て修復した蔵もある。景観が評価され、2014年に県内初の国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された。
 蔵を生かした地域活性に乗りだす住民も増えている。紅花交易で京都から伝わったひな人形を見て回るかつての習わしを再現した毎年3月の「むらた町家の雛(ひな)めぐり」。14年に村田小PTAの有志が子どもが無料で着物を着ることができる体験を始めた。
 以前は大人の姿が多かったが、「子どもたちのかわいらしい着物姿が蔵の町並みにぴったり」と評判だ。着付けを手伝う斎藤和江さん(67)は「人もアイデアも地域資源はたくさんある。どんどん活用して盛り上げたい」と意気込む。
 築100年の店蔵に雑貨品が並ぶ「かねしょう商店」は昨年5月から母屋の一部を休憩場所として開放。2階は昭和の生活用品が並ぶ見学スペースとなっている。同店の大沼悦子さん(77)は「先人たちの思いを語り継ぎながら町のにぎわいにつなげたい」と話す。(大河原支局・田柳暁)

◎町全体で出迎えよう

 重伝建に選定され住民の意識は高まりつつある。町全体で観光客を迎える雰囲気になってほしい。若い人向けの飲食店や土産物店ができるとさらに魅力が高まる。観光案内所として多くの情報を発信し誘客につなげたい。(藤井良二・まちの駅村田町ヤマニ邸駅長)


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2016年01月09日土曜日

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