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犠牲者悼む木像3000体に「目標は2万体」

像のある裏山を案内する大沼さん(右端)

 東日本大震災の犠牲者を悼み、祈りの木像を彫り続けている宮城県角田市高倉の大沼敏修さん(66)が昨年末、3000体目の木像を完成させた。「少しでも悲しみが癒えるように」と願い、今後は震災の死者・行方不明者と同じ2万体を目指して制作を続けるという。

 県警の元刑事で、在職中に事件の犠牲者を悼んで彫像作りを始めた大沼さん。震災後は以前勤務した石巻市内へ復旧作業の手伝いに通う傍ら、震災犠牲者の魂を鎮めようと、2011年の夏ごろに祈りの木像を彫り始めた。
 木像は仏や聖母子をかたどったもので、朽ち木やクルミの殻などを素材に自然の表情を生かすのが特徴。仏教用語の「三劫(ごう)三千仏」にちなみ、震災後4年半かけて3000体を彫り上げた。
 像は自宅の土間や裏山に設置して一般公開しており、震災で親族を亡くした人々が訪れている。県警時代の検視係の後輩に頼まれ、14年には震災の三回忌に合わせて石巻市の遺体安置所にも寄贈した。
 3000体が完成した後に大沼さん方を訪れた白石市の神父ホセ・ゴンザレスさん(40)は「犠牲者への鎮魂の思いは宗教を問わない。像に込められた祈りを感じる」と語った。
 昨年のお盆のころ、娘がいまだ行方不明といういわき市の夫婦が大沼さん宅を訪れ、「犠牲者は約2万人。同じ数を彫らないのか」と問い掛けた。夫婦の寂しげな姿に心を動かされた大沼さんは「何年かかるか分からないが、2万体を作り上げたい」と話している。連絡先は大沼さん090(1068)3657。


2016年01月09日土曜日

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