宮城のニュース

<検証災害公営住宅>解消策 自治体苦心

 東日本大震災の被災者が暮らす災害公営住宅の空室を解消しようと、各自治体が知恵を絞っている。繰り返し募集しても入居者が現れないケースが多く、入居できる人を被災者以外に広げることを探る動きも出てきた。

 岩手、宮城、福島の被災3県で空室率が20%以上の市町村は表の通り。
 期限を設けた募集を繰り返しても入居申し込みがなく、いつでも希望者を受け付ける随時募集に切り替える自治体が目立つ。白河市は完成した16戸のうち6戸がいまだに空き室のまま。市のホームページ(HP)や広報紙を使って入居を呼び掛け続けている。
 20%を下回る空き室率でも自治体にとっては頭の痛い問題だ。釜石市の担当者は「立地の悪い住宅は人気が低い」と気をもむ。市内では40戸の入居者が決まっていない。空き室分について再募集しても希望者が現れないことから、市は年度内に入居者の選定方法をあらためて検討する。
 思うように入居が進まない自治体が気に掛けるのは仮設住宅の入居期限。仮設住宅に当面住み続けられる状況が続くと、家賃が発生する災害公営住宅への入居を先延ばしにする動きが広がりかねないと懸念する。
 仮設の入居期限が来年3月末まで一律に延長された福島県。沿岸部の自治体担当者は「入居許可を出しているのに鍵を受け取りに来てもらえない」と嘆く。
 宮城県では、入居者が現れない物件を被災者以外の住宅困窮者に提供する準備が少しずつ進んでいる。
 困窮者に門戸を広げたことによって、本来の入居対象である被災者が不利益を受けないようにする配慮は欠かせない。県は、市町村の整備した災害公営住宅の空室情報を県のHPに掲載するなど、入居できない被災者が出ないよう周知活動を強化している。
 約2割が空室の宮城県亘理町の担当者は「福島県からの原発避難者が入居しても空きが埋まらない状況だが、仮設住宅で暮らす被災者がいる現状での対象拡大は考えていない。しばらくは再建先が未定の被災者を中心に入居の案内を継続していきたい」と話す。


2016年01月11日月曜日

先頭に戻る