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<この人このまち>釜石名物に「海まん」も

 東日本大震災で被災した岩手県釜石市の新たな名物を目指そうと、市内の水産加工、醸造、製菓などの企業が連携して開発した海鮮中華まんじゅう「釜石海まん」が昨年11月に発売された。企画と販売を手掛けるKAMAROQ(カマロク)の社長を務めるのは、復興支援で釜石に来た中村博充さん(29)。年間4万個の販売目標達成に向け、販路開拓に飛び回っている。(釜石支局・東野滋)

◎KAMAROQ社長・中村博充さん(29)

 −「釜石海まん」とはどのような商品ですか。
 「見た目は中華まんですが具がホタテのアヒージョ、サケのグラタン、サバのカレーと3種類全て洋風です。原料の魚介は釜石など三陸産で、野菜も岩手県産が中心。市内3カ所で冷凍品を販売し、通販もしています。3種類が1個ずつ入った1080円のセットが人気です」

 −完成までの苦労は。
 「カマロクの母体となった任意団体『釜石六次化研究会』の6社が、約1年半前に開発を始めました。もちろん中華まん製造の経験はゼロです。魚介の具は水分の調節が難しくて包みにくい上、皮の生地の発酵も失敗ばかりでした。同じ発酵食品のみそやしょうゆ製造のノウハウを生かすなど試行錯誤し、少しずつ課題を乗り越えました」

 −市が国の復興支援員制度を活用して創設した地域づくり支援組織「釜援隊」の一員でもありますね。
 「着任して研究会のサポートに取り組んだのですが、当時は具体的な連携の方向性が見えていない状態でした。各社の強み、本業のある中で提供できる素材や技術を整理し、商品化のアイデアを練りました。商品をきちんと売り、地域や企業に利益を分配する体制も欠かせません。昨年7月、各社が株主となりカマロクを設立しました」

 −社長就任を打診され、どう感じましたか。
 「責任は重いですが、やりがいのある仕事です。一緒に働く中で自分も学んだことは多く、感謝も込めて引き受けました。『よそ者』が地域の新しいチャレンジの当事者になる面白い事例になるとも考えました。被災地に限らず、各地で外部から来た人材が地域課題解決のために活動しています。彼らの一つのモデルになればと思います」

 −今後の展開は。
 「海まんは月3000個のペースで売れています。異業種の連携が具体的な形になり、他の企業も興味を持ってくれています。具の種類を増やし、釜石を訪れるきっかけとなるような商品に育てたいです。生産者の思いなど商品にまつわる情報発信に力を入れ、県内外で売り込んでいきます」
     (月曜日掲載)

[なかむら・ひろみつ] 86年大阪府藤井寺市生まれ。兵庫県立大卒。商社勤務を経て13年4月、釜援隊に着任。15年7月から現職。


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2016年01月11日月曜日


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