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救急患者の情報 アプリで消防団員に送信

救急患者の発生とAED設置場所の通知を受け取る参加者

 スマートフォンの専用アプリを活用し、救急患者の発生状況や周辺の自動体外式除細動器(AED)の設置場所などの情報を通知するシステムの実証実験が、宮城県石巻市中心部で行われている。同様の実験は全国2例目。人口減少が進む東日本大震災の被災地で実用化を目指し、AED使用率と患者救命率の向上につなげる。
 実験は経済産業省の地方創生モデル事業の一環で、東京のアプリ開発企業「Coaido(コエイド)」と地元の一般社団法人「イトナブ石巻」などが主催。アプリ名は「AED FR(First Responder)」。
 患者発生の119番を受けた消防が、救急車の出動を指示した後、即座に端末へ患者情報を入力して送信。専用アプリで受信すると、スマートフォンに患者の性別や年代、居場所と近くのAED設置場所が映し出される。近くにいる消防団員ら受信者は対応の可否を送信。対応できる際はAEDを入手し、患者の元に駆け付ける。
 通報から5分以内にAEDを使えば救命率は50%に達するが、国内のAED使用率は3.5%と低い。即座のAED使用と救急車搬送という併用が鍵という。
 昨年12月中旬にあった患者の元に駆け付ける実験には地元消防団や学生ら約30人が参加した。3グループが市中心部で待機して通知を受信。各設置場所でAED代わりのパネルを手にし、患者のいる想定のイトナブのオフィスに向かった。到達時間は4分程度で目標の5分を切った。
 参加した石巻専修大2年の小林拓矢さん(20)は「AEDの使い方を知る必要があるが、患者の元にいち早く到着できる点は画期的だ」と話した。
 アプリは個人情報を扱うため、利用者は消防団員や救命ボランティアなどに限定する。今後は消防本部や医療機関と連携した実験に取り組む方針。コエイドの玄正慎社長は「AEDの数、救急車が来るまでの時間は地域で異なる。救命救急態勢を地域と考えたい」と語った。


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2016年01月12日火曜日

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