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「大学ドングリ」送り続け福島の子の遊び応援

筑波大の学生らが集めたドングリを使い、クリスマスリースを作る園児たち=昨年11月

 筑波大(茨城県つくば市)の学生らが、東京電力福島第1原発事故後、福島県の子どもたちへ学内で拾ったドングリを贈り続けている。放射線による影響を案じて、屋外の活動を制約している保育園もあり「自然に触れられる機会を」との思いからだ。
 企画したのは筑波大の臨床心理士鈴木吏良さん(43)。沿岸部の被災者らの心のケアを通じて親しくなった南相馬市の保育士佐藤里美さん(48)に「お土産は何が良いか」と尋ねた際に「ドングリ」と言われたのがきっかけだ。
 佐藤さんは「子どもたちに直接自然と親しむ体験をさせてあげたかったので県外のドングリが欲しかった」と振り返る。
 2013年秋、鈴木さんは講師を務めていた災害精神支援学講座を受講する学生に、ドングリを集めるよう呼び掛けた。集まった大量の実は凍らせて殺虫処理した後、カビの発生を防ぐために水滴を取って乾かした上で、佐藤さんの求めに応じ、沿岸部の支援団体に随時、届けてきた。
 昨年は、佐藤さんが4月から勤め始めた南相馬市原町あずま保育園の園児たちがクリスマスリースやサンタの人形などを作るのに使った。
 同園の今野満子園長は放射線に悩む母親と向き合いながらも、外遊びができるように子どもが触る遊具を拭いたり、放射線量を確かめてから散歩の経路を選んだり配慮してきたという。それだけにドングリを通じた支援は「支えになる」と喜ぶ。
 鈴木さんは「遠くからでもドングリを通じて、一緒に向き合っていきたいという思いを伝えられる。これからも続けたい」と話している。


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2016年01月12日火曜日


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