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震災で教習所閉校…高齢者運転講習が大渋滞

 70歳以上のドライバーの免許更新時に必要な高齢者講習の受講待ちが、宮城県亘理、山元両町など主に県南で深刻になっている。両町内で唯一あった山元町の自動車教習所が東日本大震災で閉校した上、高齢者人口の増加で受講者が急増したためだ。県警は早期予約などで対応するよう呼び掛けている。
 高齢者講習は免許更新前に県指定の教習所で受ける講習で、内容は認知機能検査、運転適性検査など。対象者は受講終了証を受け取った後、運転免許センターで免許を更新するという流れになる。
 県警運転教育課によると、県南には現在、岩沼、角田、白石3市と柴田町に計4校の教習所がある。震災前の2010年は4校の受講者が3365人だったが、15年は6841人と激増。10年は1カ月ほどだった受講待ち期間が、最大で5カ月に延びている。
 年間約700人の受講者を受け入れてきた山元町の常磐山元自動車学校が震災の津波被害で閉校。14年以降は出生率の比較的高い世代も受講対象者に加わったことで、4校にしわ寄せが及んだとみられる。
 一度に受け入れられる受講者数に限度があることも背景にある。認知能力の有無を判断できるかどうかなど、講習は専門資格を持つ講師しか担当できない上、適性検査に必要な機器は各校に1、2台しかない。高校3年生らが免許取得を目指して通い始める冬場は講師不足に拍車がかかり、さらに深刻だという。
 受講まで5カ月待ちという亘理町の農業鈴木博さん(76)は「講習日は免許更新期限ぎりぎり。何とかならないものか」と嘆く。
 県警運転教育課は、(1)少子化で教習所が増える見込みがない(2)公共交通機関が少ない地域は免許返納が進まない−などの構造的な問題を挙げ、「正直、特効薬はない。通知文書は半年前に送るので、早めの予約を心掛けてほしい」と話す。


2016年01月15日金曜日

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