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猫が「警備」被災地のイチゴ守る

渡辺さんの栽培ハウスの周囲を歩き回る飼い猫。ネズミからイチゴを守る役割を期待されている

 宮城県山元町のイチゴ生産者の間で、ネズミによる食害を防ぐため、栽培ハウス内で猫を飼育する動きが出ている。東日本大震災で被災した沿岸部でネズミが繁殖し、丹精込めて育てたイチゴの実を食い散らかすケースが相次いでいるためだ。同町は震災前に「仙台いちご」のブランドで知られた東北一の産地。震災復興を目指す生産者は衛生面に配慮しながら、心強い助っ人に守りを託す。
 津波で被災し2014年に営農を再開した農業渡辺成寿さん(62)は、昨年春から雄猫3匹を飼う。猫は国の復興事業で整備した「いちご団地」にある約50アールの大型栽培ハウス周辺を歩き回る。
 猫は、イチゴの実に興味を示さず、人間の腰ぐらいの高さのベンチで栽培していることもあって猫が直接イチゴに触れることはまずないという。実をパック詰めにする作業場にも猫を入れず、配慮を徹底している。
 生産者仲間から猫を飼って効果があったと話を聞いて採り入れた。渡辺さんは「猫の気配に気付くからか、今季はまだ被害がない。ネズミはイチゴの実に付いている種が好物。かじられたら売り物にならなくなるので助かっている」と3匹の猫の奮闘に感謝する。
 町などによると、ネズミは震災の津波をかぶった地域で繁殖しているとみられる。食害を恐れ、イチゴの苗を土に直接植える土耕栽培の再開に二の足を踏む農家もいる。
 町内では、津波でイチゴ生産者の9割以上が被災。これまでに52戸がいちご団地で営農を再開した。


2016年01月17日日曜日

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