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被災地・南三陸の文化継承を 研究会発足

伝承切り紙の変遷などを紹介した南三陸研究会

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の住民らが、土着の郷土文化を学ぶ「南三陸研究会」を発足させた。震災の影響でコミュニティーが分散した現状を踏まえ、住民たちによる語り合いの場を通して、地域特有の風習を継承していく。
 同町入谷地区の「ひころの里」で9日にあった初講座には約30人が参加した。上山八幡宮の禰宜(ねぎ)工藤真弓さんが、江戸時代から伝わる伝承切り紙の変遷を紹介。「何度も天変地異に見舞われた三陸で、お供え物に見立てた餅や大漁を祈ったタイの切り子が根付いた」と説明した。
 東北大災害科学国際研究所の川島秀一教授(文学)は、三陸地方の神社に奉納される「うせ物絵馬」を解説した。海を守る竜神の怒りを鎮めようと、漁師が海に落とした包丁やもりを紙に描いたという。
 会場には町内五つの神社が制作したそれぞれの切り子飾りを展示した。
 研究会は月1回開き、郷土史の読書会などを計画する。発起人で入谷地区出身の山内明美大正大准教授(歴史社会学)は「津波で史書が失われる地域では、人同士で伝承していくことが必要だ。生存基盤として息づいていた文化を次世代につなげたい」と話した。


2016年01月18日月曜日

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