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津波で犠牲の姉と…姉妹人形の世界旅行実現へ

遠藤さんがシンガポールで撮影した姉妹の人形

 東日本大震災で姉を亡くした宮城県石巻市の小学2年佐藤珠莉ちゃん(8)が、サンタクロースに託した「姉妹の人形を世界旅行させてほしい」との願いが実現へ動きだした。人形を海外に連れて行くと申し出る人が相次ぎ、19日には3カ国目となるサンタの母国フィンランドに出発した。行く先々で撮影された写真がことしのクリスマス、珠莉ちゃんに届けられる予定だ。
 珠莉ちゃんと、姉の愛梨ちゃん=当時(6)=をかたどった人形は、昨年末からタイ、シンガポールを既に旅した。母の美香さん(40)は「多くの人が『協力したい』と言ってくれてありがたい」と喜ぶ。
 愛梨ちゃんは石巻市の私立日和幼稚園に通い、震災後に幼稚園バスで自宅に帰される途中、津波と火災に巻き込まれて亡くなった。
 1年半前、病気の子に代わって人形が世界中を旅するテレビ番組を見て、ボランティアが作ってくれた姉妹の人形を世界旅行に連れていってもらう夢を抱いた珠莉ちゃん。昨年のクリスマス前、サンタにお願いの手紙を書いた。
 珠莉ちゃんの夢が新聞や交流サイト「フェイスブック」で紹介されると、協力の連絡が美香さんに十数件寄せられた。
 美香さんの知人で、震災で子ども3人を失った石巻市の遠藤綾子さん(47)は、年末年始に旅行したシンガポールに人形を連れて行った。「残された側がどんなに大きな傷を抱えているかよく分かる。喜んでもらえるなら協力したかった」と話す。
 多くの申し出を受け、復興支援に取り組む宮城県村田町のNPO法人「ガーネットみやぎ」が「あいり&じゅり姉妹の世界旅行記プロジェクト」と銘打ち、窓口を引き受けてくれた。
 何も知らない珠莉ちゃんは家から人形がなくなっていることに気付いたが、サンタさんの仕業と信じている様子だという。
 美香さんは「誰が人形を旅させてくれたのか、いずれ真実を知る日が来る。自分たち姉妹の夢を多くの人がかなえようと尽力してくれたことは、珠莉に大きな喜びと生きる力を与えてくれる」と確信している。


2016年01月20日水曜日

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