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高齢者に聞き女性が作るカフェ 被災地元気に

真新しい店内の雰囲気を確かめるメンバー。引地さん(左から3人目)と実行委員らとの対話で店作りを進めてきた=亘理町中町

 宮城県亘理町内で女性の雇用創出に取り組む一般社団法人「WATALIS(ワタリス)」が、新規事業でカフェ運営に乗り出す。東日本大震災後、空洞化が進む町内の中心商店街に来月開業予定で、計画策定に当たって地元高齢者の意見を取り入れた。幅広い世代の交流の場を提供し、震災後の人口減で希薄となった地域のつながりの再生を目指す。
 所在地から名付けた「中町カフェー」は、法人の事務所近くの空き店舗を活用。14席と調理場を設け、コーヒーや宮城県気仙沼産の桑の葉茶(税込み各432円)、仙台市のNPO法人が製造するクッキーの盛り合わせ(同216円)などを提供。開店は2月18日を予定する。
 法人の代表理事引地恵さん(47)は「各地で頑張る生産者の商品を地域住民に楽しく味わってもらいたい」とコンセプトを語る。
 事業計画の策定では、有識者に加え地元の高齢者や子育て世代の主婦を交えた6人の実行委員が検討を重ねた。約1000万円の事業費は、県や仙台市の補助金、公益財団法人共生地域創造財団(宮城県名取市)の支援と法人の自費で賄った。
 今月18日には、法人メンバーや実行委員が店に集まり、コーヒーを飲みながら雰囲気を確かめた。実行委員で最年長の山形トシ子さん(82)は「みんなで作ったカフェが、高齢者が元気に外出するきっかけになればいい」と意気込む。
 町内では震災で住民306人が亡くなったほか被災地からの転出などで、人口が震災前の4%に当たる約1450減った。ワタリスは2012年2月に設立。地域に伝わる着物の生地を使った巾着袋など手芸品を製造、販売し、被災地発の起業として注目を集める。
 カフェ運営は、営業活動を行う同名の会社組織と別の地域コミュニティー再生に取り組む一般社団法人で行う。双方の代表を務める引地さんは「高齢者と交流を深め、地域の文化や記憶を若い世代に引き継ぐのが私たちの役割。従来のものづくりに加え、新たに集う場を提供し、震災で散り散りになった住民のつながりを取り戻したい」と話す。
 営業時間は午前10時〜午後4時で土、日、祝日休み。連絡先はワタリス0223(35)7341。


2016年01月20日水曜日

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