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津波で流失の診療所 待ちに待ったオープン

再建された寄磯診療所で患者を診察する伊勢院長(奥)

 東日本大震災の津波で流失し、宮城県石巻市が牡鹿半島の寄磯浜に再建を進めていた寄磯診療所が完成し、19日現地で開所式があった。早速、市立病院の伊勢秀雄院長が診察を始めた。新しい診療所は、高齢化が進み、仮設住宅での暮らしが長引く地域で住民の健康を担う拠点になる。
 診療所は木造平屋で延べ床面積約130平方メートル。以前よりも約50メートル高台にあり、診療室や待合室に加え、薬局なども備える。総事業費は約6700万円。財源は県の地域医療復興事業補助金などを活用した。
 開所式には住民ら約30人が出席し、テープカットをして祝った。亀山紘市長は「ようやく施設が開所し、皆さんが安心して医療を受けられる環境ができた。地域包括ケアの重要な施設にもなる」とあいさつした。
 震災後の2011年11月からこれまでは、市が近くに設置したプレハブ施設で診察をしていた。新しい診療所で受診した近くの仮設住宅に住む無職渡辺健治さん(72)は「風邪で診てもらいに来た。月に1度は利用するので、地域にある診療所は心のよりどころになっている」と話した。
 診療科目は内科と外科で、診察は火曜と木曜の週二日。常勤医が不在のため、伊勢院長ら市立病院の医師が交代で訪れ、診察に当たる予定。急患の場合は市立牡鹿病院が対応する。
 利用者は主に、寄磯浜と前網浜の109世帯計約860人。両地区は最も近い医療機関の市立牡鹿病院まで車で約30分、市中心部までは1時間程かかる。プレハブ施設での昨年度の診療日は99日で、延べ795人の患者が受診した。


2016年01月20日水曜日


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