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津波乗り越えた巡視船「おしか」引退

35年間の運用を終えた巡視船「おしか」の解役式=塩釜市の塩釜港

 宮城海上保安部は20日、35年にわたって運用してきた巡視船「おしか」(680トン)の解役式を塩釜港で行った。東日本大震災の発生直後に、福島県相馬市沖で大津波に遭遇。大津波を乗り越え、その瞬間を映像に残した。
 宮城海保によると、巡視船「まつしま」として配属されていた2011年3月11日、相馬港で搭載するボートの操船訓練をしている時、地震が発生した。船長は水深の深い沖への移動を決断。5キロほどの沖合で、高さ10メートルを超える大津波に遭った。
 当時、通信長として艦橋にいた畠山仁・おしか業務管理官(59)は「経験したことのない高さの津波で、まるで壁だった。『来るぞ』『つかまれ』と声を掛け合った」と、緊迫の瞬間を振り返る。乗り越えた津波が陸に到達し、大きな水柱が立つのも見えた。「とんでもない災害になる」と感じたという。
 巡視船は1980年、第11管区海上保安本部(那覇市)で運用が始まり、2009年に宮城海保に「まつしま」として配属。14年、新たに導入された巡視船に名前を譲った。海上保安庁の沖縄・尖閣諸島への対応が整うまで「おしか」として業務に当たり、解役時期を延ばしていた。航海距離は約111万キロに及び、地球27.5周に相当する。解役後は業者に売却され、解体される。
 解役式で山岡仁船長(60)は「大津波を船の総力と技術で乗り越え、その後は行方不明者の捜索や海難救助などで活躍した」と功績をたたえた。


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2016年01月21日木曜日

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