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<災害公営住宅>カビ再発 石巻市の不手際

カビ発生について、市の管理に落ち度があったことが判明した新沼田第1災害公営住宅

 東日本大震災の被災者が暮らす宮城県石巻市の新沼田第1災害公営住宅(121戸)でカビが生えた問題で、原因は市の管理の不手際だったことが、調査会社の調べで分かった。梅雨時期に完成した住宅を住民に引き渡すまで換気をせず、高温多湿状態にしていた。建物に不備はなく、市は年度内に対策を講じる。
 市によると、同住宅では入居が始まった昨年7月末以降、15戸で畳やふすまの床板にカビを確認。同6月末の完成検査時にはなく、市は8月に4戸の畳を交換し、除菌もした。だが、9月に1階の樋口敏雄さん(66)方でカビの再発が見つかった。
 市は、防カビや衛生管理などを手掛けるファインテック(東京)に調査を委託。同社が昨年10〜12月に住宅を調べた結果(1)新築のコンクリートに含まれる水分による湿気が影響した(2)完成した時期が梅雨時だった(3)市は室内を閉め切っていた−の3点が原因だと結論付けた。
 市は建設を代行した県から7月中旬に引き渡された後、入居者に鍵を渡すまで少なくとも10日間は換気を怠っていた。畳を取り換えたり除菌をしたりしても菌が残り、再発したという。
 市は「引き渡しまでの管理徹底ができていなかった。入居者に迷惑を掛け、申し訳ない。調査に基づき住戸環境の改善を図る」と陳謝した。
 市は26戸を対象に、除菌や防カビ剤の散布、畳の入れ替えなどを行う。市の担当者は「防カビ剤は数年間効果が続く。コンクリートの乾燥も進むため、カビの発生は抑えられる」と説明する。カビに強い樹脂製の畳の導入も検討する。
 樋口さんは市内の仮設住宅に入居後、ぜんそくを患った。カビが要因と診断され、治療を続ける。樋口さんは「除去してもまた生える。カビがなくならないうちは新しい家具も入れられない。早く対策を講じてほしい」と話す。
 東京の国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部第3室(真菌研究)の渡辺麻衣子室長は「一度カビが発生した場所を生えなくするのはとても難しい。数年間は継続して効果を確認することが必要だ」と指摘する。


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2016年01月22日金曜日

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