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心に映った遠野物語 自作の絵添え自費出版

遠野物語への思いを込めた本を手にする岩本さん

 仙台市泉区の主婦岩本けい子さん(66)が遠野物語の文章に自作の絵を添えた本「遠野物語に魅せられて」を自費出版した。愛読書から45の話を選び、イメージを膨らませてアルコールマーカーで描いた絵29点を載せた。
 岩本さんは色が見え、音が聞こえてくるような柳田国男の文章が好きだという。馬と娘の悲恋が絡むオシラサマの話の絵では「物語があまりにかわいそう」と感じ、馬の表情を優しくして九つの鈴を足した。
 妻が津波で犠牲になった夫婦を描く99話では、この話を取り上げた河北新報の連載「挽歌(ばんか)の宛先 祈りと震災」から着想を得て絵を仕上げた。
 岩本さんは31歳で油絵を始め、洋画家に5年間師事した後、独学で創作を続ける。障害のある息子2人と暮らす。2005年に左目を失明した。
 14年10月に息子の一人が入院して心の置き所がなくなり、困難を乗り越えるため遠野物語の絵を描こうと決めた。創作中に追突事故に遭ったが、半年かけて書き上げた。
 芸術を介して障害者の自立支援を目指す一般社団法人「アート・インクルージョン」(仙台市)の理事に絵本を出す夢を語ったのがきっかけで話が進み、15年11月に完成した。
 岩本さんは「遠野物語に登場する人物は苦しい思いをくぐり抜け、自然に逆らわないで生きた。祈りにも似た気持ちで描くことができた」と話す。
 本はA4判、62ページ。送料込み1冊1360円。購入希望者は平日のみファクス022(378)6331で受け付けている。


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2016年01月22日金曜日

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