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<復興市街地>笑顔で再出発 復興の旗頭に

新店舗の開店に合わせ、客を出迎える渡辺隆さん(左から2人目)
がれきが積み重なる店舗跡でテントを張って営業を続ける渡辺さん一家=2011年5月12日、宮城県南三陸町志津川

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町志津川のかさ上げ造成地に出店第1号となる「セブン−イレブン志津川十日町店」が22日、オープンした。旧店舗を津波で流されたオーナーは家族と力を合わせ、テントを張った「青空コンビニ」などで店を切り盛りしてきた。あれから間もなく5年。「復興の旗頭となる店にしたい」と決意を新たにした。

 午前7時の開店に合わせ、待ちわびた買い物客が次々と来店した。オーナーの渡辺隆さん(53)が入り口に立ち、一人一人に「いらっしゃいませ」と声を掛けた。
 渡辺さんが近くで営んでいた「セブン−イレブン志津川天王前店」は津波で流失した。震災後は家族5人で店跡地にテントを建て、約3カ月間移動販売を続けた。
 渡辺さんは「大変だったが、お客さんとの距離が縮まるきっかけになった」と振り返る。
 2011年8月に仮設店舗で営業を再開。翌年には長男の健太郎さん(23)が店長に就いた。健太郎さんは「不安だらけだったが、周りの人に助けられた」と言う。店長として5年目に突入し、「お客さんの満足が第一。品ぞろえを充実させたい」と意気込んだ。
 開店と同時に駆け付けた同町志津川の会社員鈴木信子さん(60)は「店員さんが優しくて、震災前から頻繁に通っていた。買い物できる場所ができてうれしい」と話した。
 町は津波で被災した志津川地区の八幡川東側を約10メートルかさ上げし、区画整理事業で商業・観光施設を集約する。志津川十日町店が建つエリアは交通量が多い国道45号沿いにあり、近くに被災した地元商店が連なる商業施設が2017年3月に開業する予定。
 セブン&アイ・ホールディングスによると、岩手、宮城、福島3県で10店舗以上が津波で流失した。かさ上げ造成地に本設店舗が開店するのは志津川十日町店が初めて。


2016年01月23日土曜日

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